30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO／Yasuo Masuda　THANKS／美奈木ゴルフ倶楽部

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  【ゴルフの急所】Vol.51　格上の相手に勝つには?

  30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。 PHOTO／Yasuo Masuda　THANKS／美奈木ゴルフ倶楽部 >>前回のお話はこちら ……

私は、ローリー・マキロイが大好きで、そのスウィングに近づけようと日々努力をしています。ただ、中には「プロのマネなどしてはいけない」という意見もあるようです。寺西プロはどのように考えますか?（柳雄一郎さん・34歳・HC18）

マネするのは素晴らしい!
いろいろ試すのがいいです

プロのマネをしたい。いいじゃないですか。素晴らしいことだと思います。プロに憧れる気持ちや、プロをマネしたい気持ちは、ゴルフを好きになるきっかけになるし、上達の原動力にもなります。ですから、自分がいいと感じたものは、どんどん試してみればいいのです。

ただし、自分が憧れるスウィングと、自分に合ったスウィングは違うことが多いのも事実です。そういう自分に合わないスウィングをしていると、緊張するほど体が動かなくなり、ミスを誘発するので注意しなくてはいけません。いくらカッコよく見えるスウィングでも、自分に合わないものは実戦で使えないのです。

試しに、目をつぶった状態で、憧れのプロのマネをしながらスウィングし、それをビデオに撮ってみてください。そのとき、スムーズにマネができて、バランスよく動けるのであれば、自分に合っていると判断できます。

逆に、いくらマネしてもできない、マネをすると軸がブレる、自然に動けない、スピードが落ちるというのであれば、自分には合っていないのかもしれません。

その場合は、いつまでもそのプロに固執するのではなく、他のプロのスウィングもどんどん試してみるとよいでしょう。プロでもスウィングは人それぞれ。その中には必ずあなたに合ったものがあるはずです。

ここで、注意してもらいたいことがひとつあります。それは、プロのマネが、ただのモノマネにならないようにすることです。人のマネごとばかりしている選手は、決して強くなれません。強いゴルファーになりたいのであれば、マネをしながらも、自分のバランスや特性に合った自分だけのスウィングを作る必要があるのです。

練習をするときには、単にマネをするのではなく、体重のかけ方、クラブの握り方、トップの位置、テンポ、ボールの見方など、いろいろ試して、自分がバランスよく振れる、自分なりの答えを探ります。そういう作業を行うことで、自分オリジナルのスウィングを構築するのです。

大事なのは、キレイなスウィングになりたいのか。それとも、ゴルフが上手くなりたいのか、ということです。スコアが悪くてもキレイならいいというのであれば、好きなプロの形と動きを一生懸命マネすればいいと思います。

でも、ゴルフが上手くなりたいのであれば、プロのスウィングを参考にしながらも、己を知り、己だけの道を見つけていく。それが大事なのです。

目をつぶった状態で、プロをマネてスウィングし、それをビデオに撮ってみよう。このとき、マネをしやすい動きは取り入れてもいいが、マネのできない動き、マネをすると軸がブレる動き、スピードが落ちる動きは取り入れないようにする（写真はローリー・マキロイ）

自分オリジナルのスウィングを作るには?

自分だけのスウィングを作るためには、体重のかけ方や、クラブの握り方など、いろいろ試してみることが大切。そういうテストを繰り返し、バランスよく振れる（軸が左右にブレない動きができる）構えや動きを選択していくことで、自分オリジナルのスウィングが出来上がる。

Check 1　前後の体重配分

つま先寄りに体重をかけた場合と、かかと寄りに体重をかけた場合では、どちらが振りやすいか?

Check 2　握り方　

フィンガー（指先）で握るのと、パーム（手のひら）で握るのでは、どちらが力まずに握れて、クラブがグラつかないのか?

Check 3　トップの位置　

アップライトとフラットでは、どちらが振りやすいか?

Check 4　ボールの見方　

ボールを右目で見るのと、左目で見るのでは、どちらが安定するか?

Check 5　左右の体重配分　
左右どちらにかけると振りやすいか?

Check 6　テンポ　
様々なテンポ（速い、遅い）を試す

月刊ゴルフダイジェスト2025年7月号より