【教えて! なっち先生】Vol.2「ハンドファースト」の正しい作り方

思うようなスコアが出ない、正しいスウィングの仕方が分からない、とお悩みのゴルファーに、“なっち先生”ことプロゴルファーの大谷奈千代がイラストを使って分かりやすくアドバイス! 今回は、正しいハンドファーストの作り方について。
>>前回のお話はこちら
- 思うようなスコアが出ない、正しいスウィングの仕方が分からない、とお悩みのゴルファーに、“なっち先生”ことプロゴルファーの大谷奈千代がイラストを使って分かりやすくアドバイス! 今回のテーマは「ダウンブロー」について。 Lesson 1アイアンのダウンブローはどのくらい打ち込むのが正解!? そもそも入射角とは、クラブヘッドがボールに……
Lesson 2
飛ばしに重要なハンドファースト
正しい形はどう作るのが正解?
ボールを目の前にすると、ボールを遠くに飛ばしたくなります。ボールをより遠くに飛ばしていくためには、インパクトポイントでハンドファーストにボールをとらえていく必要があります。
そもそもハンドファーストとは、インパクトポイントでクラブヘッドよりも手元が先行する形のことを言いますが、では、どの程度手元が先行すれば、ベストなハンドファーストが作れるのでしょうか。イラストでまとめてみました。

正しいハンドファーストは
手首が甲側に折れている
上のイラストの左、Aの形が正しいハンドファーストです。右手の甲側に折れているこの形を作れると、ダウンスウィング中のクラブのタメを上手に使ってヘッドスピードを加速させ、腰のターンでボールを押し込むことができるので、ビシッ! と強くて、遠くに飛んでいくボールを打つことができます!
ただし、気を付けていただきたいのが、上のイラスト真ん中Bのように手元が過剰に先行している状態になってしまうこと。これは非常に多いエラーの一つで、自分で手元を出して打ってしまい、ボールに対して右手の甲側に折れすぎている状態になっているんです。
この動きがエラーと評価されてしまう理由は、形は似ていてもAのハンドファーストインパクトで得ることのできるエネルギーを上手く伝えることができず、ボールを遠くに飛ばすことができないからです。
そして上のイラスト右のCは、右手ではなく左手が甲側に折れている状態で、Aで示したような右手の角度がほどけてしまっています。これは、ハンドファーストの形とは真逆、手元よりヘッドが先行するハンドレイトという形ですね。
インパクトの形がハンドレイトになってしまうと、ロフトが開いてフェースが右を向きやすくなって、腰のターンでボールを押し込めなくなってしまいます。ダフリやトップのミスが起きやすいほか、アイアンの番手ごとの飛距離にあまり差が出ない人に多く見られる症状です。
さて、正しいハンドファーストの形、そして、よく見る間違った形を一通りご紹介しました。まずは正面から自身のスウィングを動画で撮影するなどしてインパクト時の形を確認してみて、ご自身がハンドファーストインパクトの形をしているかスウィングの形を診断してみましょう!
では正しいハンドファーストの感覚を会得するためにはどうすれば良いのでしょうか。ドリルとして私がオススメするのが「布団叩き」です。
干した布団のホコリを落とすためには力強く叩く(=インパクトする)必要がありますよね。この布団を叩く動作を詳しくひも解いていくと、ひじが先行して、肩が前に出ず、そのまま右手首の角度がキープされた状態で布団にインパクトすることで力を凝縮して伝えることができているわけです。
ゴルフでのハンドファーストも体の動きとしては布団を叩く際と同じで、力強く叩くための動作の中で起こる結果の形なので、体を動かしていく順番がとても大切です。布団叩きをすることでハンドファーストの感覚を体験することができますので、上手くインパクトの形ができていない人はぜひ挑戦してみてください!


大谷奈千代
1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う
週刊ゴルフダイジェスト2025年4月1日号より