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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.157「ラウンド前の練習はどの番手も“一発勝負”でいこう!」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

単純だけど、結構盛り上がるゲームがある。ライターを一発でつけられたら勝ち、つけられなかったら負け、というゲームだ。もっとも最近はライターを持っている人が激減しているので、廃れてしまったかもしれないけど、昔は宴会なんかで、よくやったよね。泣いても笑っても一発勝負!

「ごめ~ん、もう一回やらせて」はないので、大の大人が集中力MAXで戦う。だから、やるほうはもちろんのこと、見ているほうも楽しいのだ。

ゴルフも同じではないだろうか。一発勝負──それがゴルフの醍醐味といっても過言ではない。もし、一打につき、3球までやりなおしOKというゲームだったら、実につまらないだろう。人間の体は器用だから、何発も打ったら、誰だってナイスショットは出るからね。一打ごとに違う条件の下、一発勝負で戦う。だから楽しいのだ。

という観点で「練習」を一考してみよう。もちろんスウィングを固めたり、いろんな打ち方を試すときに何発も何百発も球を打つのはいい。でも、ときには「一発勝負」の練習も必要だよね。

それにもっとも適しているのがラウンド前。実際、ボクはラウンド前の練習は「一発勝負」と決めている。ドライバーもアイアンもアプローチも、ぜ~んぶ一発勝負。1球しか打たない。その代わり一球入魂。きちんと狙いを定め、緊張感を持って打つようにしている。

そうすると何がいいかって、今日の自分がわかること。これが朝の星占いより当たるんだわ。

例えば、SWで50Yを狙うとする。本番同様にルーティンをこなし、真剣に打つ……結果、ショートだったとする。そしたら、「今日の自分はショートの日」ってこと。逆にオーバーだったら……「今日の自分はオーバーの日」

練習グリーンでも同じ。一発勝負。ただポーンと打つのではなく、真剣にラインを読み、ルーティンをこなし、めっちゃ真剣に打つ。それで、プッシュしたら「今日の自分は右に出る日」ってこと。そこで一喜一憂するのはナンセンス。入るまで同じところから何球も打つのもまったく意味なし。ましてや、付け焼刃でフォームをいじるなんて、もってのほかだと思っている。

ラウンド前の練習は、ドライバーもパターも1球のみ。もし、ショットが右に曲がったなら「今日は右の日!」と、今日の自分を知れる判断材料にもなる

大事なことは、今日の自分を受け入れること。そして、結果を踏まえ、本番で番手や狙い、力加減を修正することだと思っている。

それから経験上、ラウンド前にたくさん球を打つと、体が柔らかくなりすぎてうまくいかないことが多い。可動域が広くなりすぎて、リズムが合わないというか……。だから1球ぐらいがちょうどいいとも思っている。

という理由から、ボクはラウンド前は「一発勝負」と決めている。少ない労力で最大限の効果を得るなら、これに限る。もしよかったら、騙されたと思って試してみてね!


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2020年6月9日号より