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【通勤GD】高松志門・奥田靖己の一行レッスンVol.29 「怖いのは打った球が入ること」ゴルフダイジェストWEB

「入るなんてあり得ない。だから安心して早く打ちなさい」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第二十九話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝

高松 こないだあるトークショーがあってな、会場の人に「一番怖い球は何ですか?」って聞いたんよ。

奥田 ほとんどの人が、OBとかシャンクとかって答えられたんちゃいますか。

高松 そうそう。まあ確かにそれも怖いやろうけど、ほんまに怖いのは入る球やということがみんなわかってない。

奥田 ショットした球が直接カップインするってことですね。そらものすごい怖いですね。

スッキリコッキリして打てたときこそ、「怖い球」が出る?

高松 そやろ。だってまずありえないことやから。もう絶対ないというてもええくらいよ。

奥田 一般の人からしたら、OBやシャンクよりもはるかに可能性が低いですね。でもそれをあると思ってるから、安心して打てない。そんな怖いこと起きませんから、はよ打ってくださいと思いますけどね。

高松 ショットもそうやし、パッティングも同じ。まずはほとんど入らへんのやから、何も心配する必要がないのに、ああだこうだ打つまでが長い。

奥田 自分のパット数を教えてみたら、いかに入ってないかすぐわかると思うんですけどね。

高松 そやねん。「オレは入ってる」というてええ人は、外した数よりも入った数が多い人だけやろ。ということは単純計算で9ホール中、5ホールが1パットやないとあかんいうこと。あとの4ホールは2パットでええけど。

奥田 はい。4ホールで1パットでも、5ホールで2パットしたら、入ってないホールのほうが多いということですからね。

高松 皆さん、この計算についてこれますか?

奥田 つまり、ハーフ13パット。トータル26パットの人だけが、「オレは入る」と思ってええ人ということになる。

高松 プロが「今日は入った」っていう日でだいたい30パットやで。

奥田 26パットはすごい言うことですわね。もう長年ゴルフやっとったら、このパッティングが入るか入らないかくらいわかりそうなもんですけどね。

高松 ほんまやね。だって自分のゴルフと何十年も付き合おうてきてわけやし。

奥田 ただ、入った経験があるだけの話ですよね。10メートルでも20メートルでも入ったことがあるから、それが今このパッティングできてくれと思う。だから、みんな気持ちよくさっさと打てない。

何ひとつ目論んではいけない

高松 その10メートルとか20メートルが入ったときは、自分がどんな状態やったか忘れるんやね。打つ前に何ひとつ目論んでなかった自分を。

すぐ打つ

奥田 何の目論見もなかったからこそ入ったということがわかってないんですね。だから、もっと時間をかけて頑張ってライン読んだり素振りしたら入ると思う。

高松 時間かける言うのは、めちゃくちゃ目論んでるということやからね。そんなんで入るわけないわ。パッティングもアプローチも同じことよ。

奥田 先生とこないだ回ったときに、ずっとショットが1ピンについてましたけど、パッティングは全部外してました。それで先生に、「それはいいんですか?」ってきたら「放っておいてくれ。オレはただすっきり打ちたいだけやねん」いうて怒られましたわ。

高松 だって奥ちゃんのほうがよっぽど変やったやろ。入れたい、入れたいでパッティングして、外してたんやから。

奥田 はい(笑)。入れたい気持ちと入ることは何の関係もないということをつい忘れてしまいました。

高松 ただすっきり打てたらそれでええねん。そしたら、ヘッドも動くし、たまには怖い球も出るやろ。

【通勤GD・今日のことば】

月刊GDより