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【アプローチのザックリ撲滅】<後編>「右足寄りにボールを置く」はNG! アドレスから見直そう

芝が薄く、ザックリの危険性が高い冬の花道からのアプローチ。ザックリを防ぐための構え方、打ち方、クラブの選び方のポイントについて堀越良和プロに聞いていこう。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/大宮ゴルフコース

解説/堀越良和

ほりこし・よしかず。経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

>>前編はこちら

バウンスを使うことを
拒絶している人が多い

花道にザックリの危険が潜んでいることはわかったが、実際にザックリが出ないようにするにはどうすればいいのか。引き続き堀越良和プロに話を聞いた。

「重要になってくるのはアドレスです。まず、ボールの位置を間違っているケースがアマチュアの方には多いです。具体的に言うと、極端に右寄りにボールを置いてハンドファーストに構えるゴルファーが多いですが、これはザックリするゴルファーの典型例で、ザックリしやすい状況を自ら作り出しています」

では、どうすればザックリしにくくなる?

「しっかりウェッジのバウンスを使ってあげることが重要です。ボールは両足の真ん中に置き、フェースを開いてアドレスすることで、ボールをとらえる際にバウンスが芝の上を滑ってくれます。一方ボールを右寄りに置いてハンドファーストで構えてしまうと、自ら“バウンスを使うことを拒絶している”アドレスになります」

ウェッジ選びも重要なポイントだという。

「4度のバウンスと12度のバウンスのウェッジを比較した場合、バウンスの少ない4度のウェッジのほうがザックリの危険性が高まります。冬のラウンドではバウンスが大きめのウェッジを選択するというのも大事なポイントです」


打つ際に注意するポイントは?

「花道の場合、少し左足上がりのケースが多いです。先ほどもお伝えしたようにボール位置を真ん中にして、フェースを開いてアドレスします。そして、シャフトが垂直になるように構えましょう。この時、左足は少し開いておくことが大事です。あくまで、体のラインはピンに向けながら、重心をやや左に置く意味でも左足は少し開いたほうがいいです。さらに重要なのが、頭の位置。左足上がりの場合は頭の位置が斜面に沿って、右に傾いてしまいがちですが、そうなると手前からクラブが入りやすくなってしまいます。なるべく、頭は右に傾くことなく、真っすぐを維持したまま打ちましょう」

Point 1
ボールを中央に置きシャフトを垂直に構える

ボールを真ん中に置き、シャフトはほぼ垂直に下ろす。この際にフェースを開いて構えることによって、バウンスを有効活用できる

Point 2
左つま先を少し開く

左足は真っすぐではなく、少し開く。すると重心が左足にかかり、その状態でインパクトすることで、クラブが抜けやすくなる

Point 3
頭の位置は中央をキープ

斜面に沿って、右に頭が傾きがちだが、頭の位置は中央をキープする。右に傾くと、クラブが手前に入りチャックリの危険性が高まる

ボールを右足前に置いて
極端なハンドファーストで打つのはやめよう

【ダメな理由1】リーディングエッジが刺さりやすい

ハンドファーストで構えることによって、ヘッドが鋭角に入りやすく、ボールの手前にリーディングエッジが刺さってしまい、ザックリの危険性が高くなる

【ダメな理由2】スピンもかからない

鋭角に入ったほうがスピンが入りそうだと思いがちだが、ロフトが立って当たるぶん、スピンはかかりにくい

状況によって
3つのクラブを使い分けよう!

最後に、ウェッジ以外のクラブを使用する方法について、堀越プロに教えてもらった。

「ザックリのリスクを減らす方法としては、ウェッジ以外のクラブで転がして攻めるのが有効です。残り20〜30Yからピンを狙う場合はウェッジのほうが寄せやすいのですが、ザックリが怖い場合は他のクラブの選択も状況によってはオススメです」

最初の選択肢となるのはUTだという。

「UTのアプローチのいいところは、ロフトが立っているので、ボールとコンタクトしやすく、ソールが広いので滑ってくれる点。少々手前からクラブが入っても、ザックリのような大きな事故には繋がりにくいです。ボールは少し左側に置き、グリップはかなり短く持つようにします。注意点として、UTでアプローチする場合、思ったより転がることを覚えておいてください。事前に練習場で、10球程度で十分なのでUTでボールを転がす感覚を身につけてから、ラウンドで実行してみましょう」

【UTアプローチ】
右手にシャフトがかかるくらい短く持つ

ボールはやや左側に置き、左足をややオープンにアドレスすると打ちやすい。手首は使わず、腕を動かしてインパクトするとよい。ラウンド前に10球でいいので練習して臨めば、本番で大きな武器となる

2つ目の選択肢はショートアイアンだ。

「番手は8番くらいがオススメです。ボールの位置は基本的に真ん中でいいです。コツとして、芯に当てようとしないこと。アドレスの際は少々ヒールが浮いても構いません。あとは、パター感覚で打てばミスは少ないです。前傾姿勢を変えないことが重要です」

【8Iアプローチ】
キャリーとランの比率は1:4

ボールは基本的に真ん中に置き、パターと同じ要領で打つ。ポイントはやや左側に重心を置くこと。無理に球を上げようとするとミスにつながるので注意しよう

最後の選択肢はパターだ。ウェッジ以外でのアプローチとしては最も使用率が高いクラブと言えるだろう。

「どうしてもザックリをしたくない場合は、パターがオススメです。パターの場合は、ラウンド序盤と終盤では、芝の状態によって転がり具合が変わるので、芝目も含めて、周辺の芝の状況を見極めることが重要です」

【パターアプローチ】
グリーン手前の芝の状況を把握しよう

グリーンまでの距離や芝の状況を把握しておかないと、思ったよりも芝に食われてボールの勢いが減少するので注意

「私のイチオシはUT。確実にザックリを回避したいときはパターを選ぼう」

「ウェッジ以外のクラブでアプローチする選択肢を持つことはザックリの回避だけでなく、アプローチの引き出しを増やしてくれるのでオススメです。多くの場面でUTが武器になると思いますが、確実にザックリを回避するにはパターを使用するなど、状況に応じて替えることが大事です」

週刊ゴルフダイジェスト2024年12月31日号より