【通勤GD】芹澤信雄「1番ホールの木の下で…」Vol.30 苦しいときほど「普段どおり」に‼ ゴルフダイジェストWEB
調子が良くてベストスコアが出そうなときは、ついつい欲張って長いパー5を2オンさせようとしてみたり、逆に慎重になりすぎて乗せられるところを刻んでしまったりするもの。そんなときほど「普段どおり」のプレーをすることが大事。
【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
芹澤信雄プロ
1959年生まれ。ジャンボ尾崎に「世界一パーパットが上手い」と評されたパットの名手。1987~2000年にツアー5勝。その後シニア1勝。飛距離優先時代をショットの質で生き抜く。チーム芹澤ゴルフアカデミー主宰。
普段やらないことは重圧下では失敗する
僕の初優勝は、最終組の4組前くらいでスタートして66のビッグスコアが出たので、上がってみたらトップで、そのまま勝ってしまうという流れでした。
ホールアウト後こそ、ほかの選手がスコアを伸ばしてくるのを見て、戦々恐々としながら「そのパット外してくれ!」と祈っていましたが(笑)、プレー中はがむしゃらで、重圧を感じる暇もありませんでした。
しかし、2勝、3勝、と勝利を重ねていく上では、勢いだけではだめです。強豪選手と競り合って勝つ力が求められます。
実は、そんなときほど大事なのが「普段どおり」のプレーを続けること。とても難しいことですが、これはメンタルの問題です。普段はやらないようなショットは技術的なハードルが高いですから、重圧の中では成功率は下がります。
しかし、「攻めたい」とか「守りたい」と思う衝動を我慢して普段通りの攻め方を学ぶことは、意志の力で可能です。そして体に染みついた「普段どおり」のプレーは、重圧下でもきちんと役割を果たしてくれるものです。
強い選手に追い上げられながら、プレーするのは本当にきついですが、追い上げている選手も実はきついんです。そして、きついときに一番いやなのは、相手が普段どおりに淡々とプレーしている姿なんです。
こういうことは、優勝争いの経験が、そして何より勝利の経験がいちばんの教師です。これは、アマチュアの場合でもいえることです。例えばベストスコアが出そうなとき、ショットの調子がいいからと言って無理に狙うゴルフをしたり飛ばそうとしたりすると崩れます。
重圧を感じたときほど「普段どおり」を忘れないでください。そして、苦しいときほど自分を助けてくれるのがアプローチですが、これも無理に寄せようとしないこと。
普段通りの基本アプローチをいかに忠実に行えるかが大事ですよ。
【通勤GD・今日のポイント】“寄せ”こそ普段どおりが大切
【ポイント①】左肩からヘッドまでの形を崩さずに振る
アプローチの基本は、左肩を支点とした振り子のストローク。左足体重をキープし、左肩からヘッドまでを一直線に保って振ろう。左手首の角度が崩れるとロフトが変わって距離がズレやすい。
【ポイント②】ターゲットに対して真っすぐ振る感覚
30ヤードくらいまでのアプローチは、ヘッドをまっすぐ動かすイメージ。インサイドにあげすぎるとダフリやシャンクの原因になるので注意しよう。
月刊GDより