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162cmで292Y! 生源寺龍憲が“反力先生”Dr.クォンに1日入門<前編>“速く”上げればもっと飛びます!

身長162cmで290Y以上飛ばす生源寺龍憲プロだが、今年、プレーするステージが上がったことで、壁を感じているという。そこで、もう一段階上のスウィングを身に付けるべく「地面反力」の第一人者であるクォン教授のもとを訪れた。果たして教授が指摘した改善点とは?

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara ILLUST/Hideki Kamekawa THANKS/ネクストベース・アスリートラボ

ヤン・フー・クォン

テキサス女子大学教授で、バイオメカニクスの権威。ゴルフスウィングにおける地面反力の研究を得意とし、B・デシャンボーをはじめ多くのトッププロやコーチを指導する

生源寺龍憲

1998年生まれ。昨年ABEMAツアーで2勝を挙げ賞金王となり、アジアンツアーのQTも2位で通過。今年はアジアンツアーと国内レギュラーツアーに挑戦しつつ、初優勝を狙う

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地面反力は大きいのに
回転に生かせていない

生源寺龍憲は、身長162センチと小柄だが300ヤード近い飛距離を誇る。しかし昨年ABEMAツアーで活躍して今年はレギュラーツアーとアジアンツアーを主戦場にするようになり、自分のスウィング、飛距離にある種の限界を感じているという。

そこで、バイオメカニクスの権威でスウィングにおける地面反力研究の第一人者、ヤン・フー・クォン教授が来日した際に彼のもとを訪れ、スウィング分析とアドバイスを求めた。

生源寺のスウィングを、独自のスウィング解析システム「クォン3D」を使って分析したクォン教授は、彼の能力を非常に高く評価する。

「この身長でこれだけの飛距離を出せているのは、称賛に値します。スウィングプレーンがシンプルできれい、さらにフェースやクラブの使い方も上手い。運動能力の高さを感じるグッドスウィングです。地面反力を見ても、加重・抜重の仕方が上手く、大きなポテンシャルを感じます」(クォン)

しかし生源寺としては、さらなる飛距離を求めるうえで、いくつもの疑問や壁を感じているという。

「僕はあまり体重移動が得意ではないので、飛ばそうとしてもう少し大きく動こうとするとタイミングが合わなくなるんです。ヒールアップして強く踏み込むとスウィングスピードは上がるのですがインパクトでパワーが逃げて飛距離に結び付かない。スピードの上げ方が悪いのか、スピードアップしたときのコントロールに問題があるのか、その辺に悩んでいます」(生源寺)

生源寺の言葉を受け、クォン教授が指摘したのは、地面反力の“使い方”だ。生み出している地面反力自体は大きいのに、前後軸(体の正面から見た回転軸)での回転力に生かせていないというのだ。

「運動連鎖のスムーズさが少し足りず、ゆっくりバックスウィングして、切り返し後に急激に加速させようとしています。これが地面反力を回転に変換するのを妨げ、スピードアップ時の動きの乱れにつながっている。彼のスウィングなら、ちょっとしたコツで一気に改善され、飛距離が伸びるはずです。これはアマチュアにも多い問題点。まずはここを改善していきましょう」(クォン)

「クォン3D」でスウィング解析

クォン教授が開発したスウィング分析ソフト「クォン3D」を使って生源寺プロのスウィングを分析。高精度な3Dモーションキャプチャー、高速カメラ、フォースプレートなどを駆使し、さまざまなデータを取得・解析できる

ココがGOOD!
強い踏み込みで地面反力が大きい

ココがBAD!
出力のタイミングが遅くて急激

ダウンスウィングから急激に加速しようとしており、出力のタイミングが遅い。そのせいで運動連鎖が乱れて回転が阻害されているうえ、飛ばそうとしたときほどロスが大きくなっている

ココがGOOD!
軌道がキレイで基礎レベルが高い

スウィングプレーンがキレイで前傾のキープやクラブの動き、フェースコントロールもいい、基礎レベルの高いスウィング。そのおかげで、余計なロスが少なく、身長の割にスピードが出せている。総合的な運動能力が高い証拠

ココがBAD!
回転のスムーズさが少し足りない

強い踏み込みで大きな地面反力を生んでいるにもかかわらず、それが上手く回転に結び付いておらず、フォローが詰まり気味でアップライトに抜けており、エネルギーロスにつながっている

生源寺龍憲の1Wスウィング


後編はこちら

月刊ゴルフダイジェスト2024年10月号より