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【浦ゼミナール】Vol.55「自分が何番アイアンまで打てるか、“正しく”把握できていますか?」

身長171cmで420Yという驚異の飛距離を誇る浦大輔が、スキルアップのコツを伝授する連載「解決! 浦ゼミナール」。FWやUTのセッティングを考えるには、そもそも「アイアンが何番まで打てるのか」を知る必要がある。話はそこから「実のある練習」へと広がっていく。

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/√dゴルフアカデミー

前回のお話はこちら

浦大輔

浦大輔

うらだいすけ。身長171cmで420Y飛ばす飛ばし屋にして超理論派。東京・池上で√d golf academyを主宰

自分の番手ごとの
正しい飛距離を知ろう

――今回はFWやUTについてお聞きしたいです。

 いいですね。具体的には?

――たとえば番手構成なんかはアマチュアにとっては悩ましく、アイアンを何番までにして、何度のUTを入れたらいいか、FWとUTは何本ずつがいいか、正解がわかりません。

 なるほど。それを考えるにはまず、「アイアンは何番まで打てるのか」をハッキリさせる必要があります。

――たとえば6番アイアンまでバッグに入れているとしたら?

 その質問が大問題(笑)。どうやらFW・UTの話をする前に、ここをちゃんと整理しておく必要がありそうですね。アマチュアにはそういう質問をする人がすごく多いんですが、6番まで入れているけど、その6番が「打てているのか」をきちんと検証したことがありますか?


――多少ミスは出るとはいえ、「打てない」とまでは感じませんが……。そもそも「打てる」の定義がよくわかりません。

 定義するなら、「上の番手が下の番手よりも確実に距離が出ていること」でしょうか。もちろん番手ごとにキャリーでしっかり距離の階段が作れていることが理想ですが、この際キャリーではなくトータルの距離で構いません。距離がほとんど変わらなかったり、あまつさえ逆転しているようでは、「打てている」とは言えません。これはイメージや雰囲気で考えてはダメ。下のような図や、キャリー・ランを書き込んだ表などでちゃんと数字として管理してください。これをやれば一目瞭然、一発で「打てている」かどうかわかりますよ。

――細かい作業ですね。

インドアなどの弾道計測器を利用して、各番手の距離(できればキャリーとラン)を記録していく。これをやれば、自分が「何番アイアンまで打てるのか」が一目瞭然。できれば定期的に行ってアップデートしよう



 いまどき、室内練習場やシミュレーションゴルフなど、どこにでも弾道計測器が入っています。それを使って「練習場モード」で1時間も打てば、カンタンに作れるはず。この程度のことを怠っているから上手くならないし、クラブセッティングも迷うんです。

――耳が痛いです。

 これをウチの生徒たちに言うと、みんなだんだん下を向いて縮こまっていきます(笑)。実際は上級者でさえこの辺をおろそかにしている人は多いですが、これはすごく大事なこと。これを定期的にやっていれば、自分の番手ごとの距離や弾道のイメージが明確になるし、調子の良し悪しとか、季節による距離の増減なんかもわかるので、ゴルフの精度が劇的に上がります。

コースでやりたいことを
普段から練習しておく

 結局、アマチュアの多くは練習場に行って練習しているようで、実は練習なんてしていない。気持ちよくドライバーを振り回してストレス解消をしているだけなんです。それはそれで、アマチュアの楽しみとして否定はしません。でも上手くなりたい、スコアを作りたいと考えているなら、こういった質の伴った練習をする必要があります。

――浦さんの「練習」の内容の細かさには、いつも驚かされます。

 効率よく上手くなりたいじゃないですか。そうしたら、少しは頭を使わなきゃダメです。週に4、5日練習場に行き、年間200ラウンドするなら別ですが、それができないなら「実」のある練習をしましょうという話。

――せっかくなので、ほかにも上達に即結するいい練習方法があれば教えてください。

 100ヤード以下の精度を上げるなら、40~100ヤードまで10ヤード刻みに打つ練習が絶対的に効果があります。どんな上級者でも、スコアがいまより10打縮まります。

――具体的にはどんな練習ですか?

 40ヤードからスタートして50、60、70ヤードと1球ごとに10ヤードずつ距離を伸ばして100ヤードまで行き、また90、80、70ヤードと10ヤードずつ減らして40ヤードまで戻ります。失敗したら最初からやり直し。50ヤード狙いなら、41ヤード~59ヤードまでが許容範囲です。普段からこれをやっていると、100ヤード以下は掛け算の九九のように反射で打てるようになります。もう1つは「何もないところを狙う」練習です。「150ヤードのグリーンの左端から10ヤード左」とか、「220ヤードの看板の20ヤード右」とかを狙う。

――これはどういった効果が?

 風がある日なんかには、「左の木を狙って」とか「グリーンの右端を狙って」とか考えますよね。この練習をしていないと、絶対にフェアウェイセンターやピンに意識が引っ張られて、狙ったところに打てません。これはパッティングでも有効で、「カップの30センチ左」とか何もないところに真っすぐ打つ練習をしていないと、いざ切れるラインで「2カップ左」を狙おうと思ってもそこには打てない。これをやらないと、いつまでも「狙ったつもり」から脱却できません。

――本当の意味で「狙う」には、こういう練習が必要なんですね。

40~100Yまで10Y刻みで順番に打っていく

40ヤードから1球ごとに10ヤードずつ距離を伸ばし、100ヤードまで行ったら今度は10ヤードずつ減らして40ヤードまで戻る。狙った距離からプラスマイナス9ヤードの範囲に収まればOKで、ミスしたら最初の40ヤードからやり直す。看板や練習場のグリーンの縁などを目印に10ヤードごとの目安を作り、キャリーで狙おう

月刊ゴルフダイジェスト2024年10月号より