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【ゴルフの急所】Vol.43 力を抜くと飛ばなくなってしまう。力まずにスピードを出すコツは?

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/美奈木GC

前回のお話はこちら


私はよく、力みすぎだから力を抜きなさいと言われます。しかし、力を抜くと全然飛ばなくなってしまうのです。いったいどうしたら、プロのように力まずにスピードを出せるようになるのか、教えてください(野中隆二さん・50歳・HC20)


脱力すると飛ばないということですが、これは脱力という言葉の受け止め方が間違っているのだと思われます。

脱力するというと、ただ力を抜けばいいと考えがち。しかし、力を抜いて、そのままスウィングしたら、ボールを遠くに飛ばせるはずがありません。力まずにスピードを出すためには、力を入れるべきところに必要な力を入れ、力を抜くべき部分の力を抜く必要があるのです。

では、どこに力を入れ、どこの力を抜くべきか。

まず、力を抜くべき部分からいくと、どんなスポーツにおいても一流の選手は皆、なで肩をしています。いかり肩の人はいない。つまり、肩は脱力すべき部分と言えるでしょう。


次に手ですが、やはり強く握りすぎるのはよくありません。力を入れたとしてもせいぜい5~6割程度。飛ばしたいときほど、握る力は緩めたほうがいいということを覚えておいてください。

腕については、ひじの柔らかさが必要になります。基本的に、ひじが硬い人(力を入れてピンと伸ばしている人)に、ゴルフの上手い人はいません。ですから、クラブをしっかりめに握ったとしても、ひじだけは力を抜いておきましょう。

力を入れるべき部分でいうと、一番大切なのは、お腹です。力まずにスピードを出すためには、インパクト付近で一瞬、「ふんっ!」とお腹に力を入れ(腹圧を入れ)たいのです。

誰でも、ものすごく重いモノを両手で押そうと思ったら、「ふんっ!」と鼻から短く強く息を吐いて、お腹に力を入れるはず。それと同じです。これができるようになると、球に当たり負けすることもなくなりますし、肩、ひじ、手の力を抜いてもスピードが出るようになるので、ぜひチャレンジしてもらいたいと思います。

最後は足ですが、こちらは持ち球がドローの人と、フェードの人では力の使い方が違います。ドローであれば、両つま先をハの字形に開き、右足体重のままスウィングしたいので、右足にしっかりと力を入れます。それに対して、フェードの人は、右つま先を飛球線に対してスクエアに構え、左足の上で体を回していきたいので、左足にしっかりと力を入れるようにしてください。

ただし、どちらにしても足をロックさせてしまうのはNG。力を入れるのは、あくまで力強く動くためであって、動きを止めるためでないことを理解してください。

力を抜くべき場所は「肩」と「ひじ」

多少クラブを握る力が強いのは構わないが、それでもひじだけは力を抜いて、柔らかく使うように心がけよう

インパクトの瞬間「お腹」に力を入れる

誰でも大きな力を出すときには、一瞬「ふんっ!」と、お腹に力を入れるもの。それと同じように、インパクトの瞬間、お腹に力を入れることで、スピードが出せるようになる

丹田の周りを硬くする

お腹に力を入れるといっても、腹筋運動をするときとは、力の使い方が違う。複式呼吸で「ふーっ」と息を吐きながら、お腹をへこませると、丹田(おヘソの下あたり)の周りが硬くなるはず。この状態をインパクトの一瞬で作るのだ

足は持ち球によって力の使い方が違う

ドローが持ち球の人はガニ股で(両つま先を開いて)構えて右足に力を入れる。フェードが持ち球の人は左つま先を開いたとしても、右足は飛球線に対してスクエア。左足に力を入れてスウィングしよう

月刊ゴルフダイジェスト2024年10月号より

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