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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.135「再現性を上げるなら、リズムよりもアドレスが先」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ボクはよく人からマニアックだと言われる。風変りな練習方法や、ときどき見せるヘンテコリンな打ち方から、そう思われがちなのだが、考え方はいたってシンプル。みなさんのほうが、よっぽどマニアックだと感じることが多々ある。

そのひとつが「リズム&テンポ」。一般的にそれらが狂うとミスを誘発すると言われている。そのため、つねに一定のリズム&テンポで振ろうと心がける人も多いだろう。メトロノームを使ったり、それに準ずるアプリを用いたり……。

それってボクからしたら、めちゃくちゃマニアックだわ~。イチ・ニ・サンのリズムで振っていたのをイチ・ニ・の・サンに変えたい。あるいは、もっと速く、もっと遅くといったテンポを調整したいと思ったことは、ボクは1回もない。

だって、リズムやテンポが多少狂っても、いつも同じアドレスだったら、球筋は変わらないはず。逆に、いくらイチ・ニ・の・サンとかやっても、フェース面が明後日のほうを向いていたら、球は同じく明後日のほうへ飛んでいく。そう考えると、大事なのはアドレス! リズムやテンポを考えるのは最後の最後で十分。なんなら、とくに気にしなくてもいいくらい。

そもそも、心地よいと思うリズムとテンポは人それぞれ違う。3拍子のほうが振りやすいなら、あえて4拍子にする必要もない。だって、普段は2拍子で歩いているのに、急に、3拍子で歩けって言われてもできないでしょ。テンポってそう。ゆっくり振るほうが、タイミングよく振れるなら、それでいい。意図的にテンポを速める必要はないと思う。

そこに神経を使うなら、そのぶんアドレスの完成度を高めたほうが、よっぽどいいショットが出るはずだ。

毎回リズムを同じにしようと考えたり、テンポを変えようとする必要はない。構えさえ正しければ多少リズムが乱れても大きなミスは出ない

アドレスのなかでも、とくに重要なのがグリップと球の位置。これさえ完璧にすれば、スタンス幅は広かろうが、狭かろうが、どっちでもいい。

グリップも基本的には好きなように握ったらいい。スクェアが絶対ではない。ストロングがしっくりくるなら、ストロングでいい。ひとつ言うなら、今のクラブは手をこねないほうが性能を発揮できるので、ウィークだけはないかなと思う。スクェア、ストロング、超ストロング、この3つのうち一番握り
やすくて力が入るものを見つけ、それを自分のものにする。

球の位置は、以前も言及したけど、ボクの場合は、どんなクラブでも、おへその真ん中、つまり体の真ん中と決めている。まず、足を揃えて体の真ん中にセット。それから目標方向にフェースを合わせ、最後に足を開く。必ずこの手順。ボクが考えているのは、そのくらいかな。ね、ちっともマニアックじゃないでしょ。生活のリズムを崩すと、いろんな病気を発症するけど、スウィングのリズムは多少崩れても大きなミスは発症しない。リズムとテンポは最後にして、まずは「グリップと球の位置」の再現性を高めること。

そのほうが、断然気持ちよく振れるし、ナイスショットも増えるよ。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年12月10日号より