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【グリーン外からパターで寄せる!】<前編>下半身は積極的に動かしてOKです

グリーン周りでパターを使って寄せるのはアプローチが苦手な人という印象があるが、PGAツアーの試合を見ていると、トッププロがパターで寄せている場面をよく目にする。アプローチでパターを使用するメリットと打ち方のポイントについてプロコーチの石井忍に教えてもらった。

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Katsumi Aida、Blue Sky Photos THANKS/ジャパンゴルフスクール

解説/石井忍

1974年生まれ。日大ゴルフ部を卒業後1998年プロ転向し、後に指導者の道へ。「エースゴルフクラブ」を主宰。BS松竹東急で今年の全米オープン中継の解説も務めた

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ダフりたくない状況では
積極的に使っていこう

今年の全米オープンで世界のトッププロがパターを使って寄せる場面が目立ったのはなぜなのか、テレビ解説も担当した石井忍に聞いてみた。

「率直に言えば『ダフりたくないから』、アマチュアと同じ理由です。今年全米オープンが行われた『パインハーストNo.2』は地面がとても硬かったので、ウェッジだとバウンスが跳ねるリスクが高かった。でもパターならダフリ・トップのミスを気にせず、距離感に集中できます。加えてフェアウェイの芝足が短く転がりの抵抗が小さかったので、トッププロでもパターで転がしたほうが安全と判断する場面が多かったんだと思います」

プロでもダフリのリスクが多い場面では自然とパターが選択肢に入る。地面の硬さに関係なく打点ミスの多いアマチュアにとっては、パターの優先順位が高くなるのは合理的。恥ずかしいことではないのだ。

使いどころ①
地面が硬くてソールが跳ねそうなライ

地面が硬く、ウェッジを使うとソールが跳ねる危険が高い場合など、地面の影響でダフリやトップが出やすいライでは、打点ミスのないパターが有利

使いどころ②
芝が短くて転がりが読める

花道やフェアウェイなど、芝足が短く転がしてもボールの抵抗が小さければ、球を上げる必要がなく、パターでも距離感の計算がしやすい

使いどころ③
ピンが手前のホール

「手前のフェアウェイ+グリーン上」の距離感の計算が必要な奥ピンより、「エッジまでの距離感」でほぼ完結できる手前ピンのほうがパターで寄せやすい

ポイントは下半身を
積極的に動かすこと

パターでアプローチするとなると、15Y以上の長い距離を打つ場合も多く、しかもグリーン上よりも球が転がりにくいぶん、大きなストロークが求められる。ここに難しさを感じる人は多いはずだ。

「本来パッティングは、下半身を固めて上半身と下半身を分離して動かすのが鉄則ですが、アプローチでパターを使う場合は積極的に下半身を動かし、ストロークの可動域を大きくしたほうがいいでしょう。ポイントはひざを前後に動かすこと。左右に揺さぶると軌道が不安定になって打点のミスが増えるので注意してください。手首を使って振り幅を稼ごうとするのもミスにつながるので、手首はグラつかないように固定してください」

ポイントは、下半身を使いやすいようにスタンスを普段よりも狭くすること。大きな振り幅を恐れずにストロークしよう。

Point 1
ひざの前後動で体の動きを拡大

左右のひざを交互に前後させることで上半身の可動域を大きくし、大きな振り幅で無理なくストロークする。ひざが左右に動くとスウェイになりミスにつながるので注意

Point 2
グリーン上よりもスタンスを狭める

広いスタンスは、下半身を固定することにつながる。パターでアプローチする際は、下半身の動きを促すため、普段よりもスタンスを狭くしたほうがいい

Point 3
手首を固めてストロークする

振り幅を稼ぐために手首を使うとストロークの再現性が下がりミスにつながる。普段のパッティング同様、手首はロックし、腕とクラブを一体にして動かそう

Drill
左肩を上下に動かして「大きく振る」練習をしよう

振り幅が大きくなりヘッドが高く上がるのは、慣れないと怖い。普段から「大きく振る」練習はしておきたい。左肩が上下に動くことを意識してストロークするのがポイントだ

石井忍のお手本ストローク

後編はこちら

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週刊ゴルフダイジェスト2024年7月23日号