【通勤GD】芹澤信雄「1番ホールの木の下で…」Vol.37 “絶対”があるとゴルフは強い ゴルフダイジェストWEB
チーム芹澤には「フェード」を持ち球にする選手が多く、芹澤、藤田、宮本ともにそれを徹底して貫いているのが印象的だ。こうやって持ち球をはっきりさせるのは、プレシャーのかかる場面でこそ大きな意味を持ってい来るという。その理由を聞いた。
【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
芹澤信雄プロ
1959年生まれ。ジャンボ尾崎に「世界一パーパットが上手い」と評されたパットの名手。1987~2000年にツアー5勝。その後シニア1勝。飛距離優先時代をショットの質で生き抜く。チーム芹澤ゴルフアカデミー主宰。
自分を信じ込ませてメンタルを安定させる
ゴルフにおいては「なにかを信じる」というのはとても大きな意味があることなんです。もちろん、実測データくらいはっきりしたものなら最高ですが、そうでなくても、自分の中で何かをはっきりと言い切ってしまうことで、自分を信じ込ませることは重要です。
例えば、左右両サイドがずっとOBになっているホールがあるとします。そのティショットで左右どちらにも曲がる心配があったら、フェアウェイの真ん中を狙って、「真っすぐ」打とうとするしかなく、コース幅の半分の幅だけ曲がったらOBになってしまいます。
しかし、「絶対に左には曲がらない」という自信をもってティショットできるのであれば、左のOBぎりぎりを狙って打っても左OBの心配はなく、曲がり幅の許容範囲もコースの幅いっぱい、つまり両方曲がる人の2倍計算できるわけです。
本当のことを言えば、プロだってなかなか「絶対に逆球(ぎゃくだま)は出ない」と言い切って打つのは難しいのですが、少なくとも自分をそう信じ込ませて狙うこと、そういう意識でスウィングすることはとても大事なんです。
「絶対スライスを打つ」と決めて、できるだけスライスさせられるようにスウィングすることで、仮に逆球が出てしまっても、やるべきことをきっちりして実行できなかった「自分のミス」だと割り切ることができ、「次はちゃんとスライスさせるように打とう」というポジティブな考えのもと、気持ちを切り替えることができます。
反対にスライスしすぎて右にOBしてしまっても、「やろうとしたことはできた。次までにスライス幅を抑えられるように練習しよう」とあきらめもつきます。
しかし、真ん中を狙ってどちらかに曲がってOBしたら、次も左右両方を気にしながら、「真っすぐ打たなきゃ」と自分にプレッシャーをかけることになってしまいます。
とくにプレッシャーが大きい場面では、こういった「決め打ち」ができるかどうかはとても重要で、上級者が持ち球をハッキリさせ、それにこだわってプレーするのはこの安心感を確保するためでもあるのです。
みなさんも、自分の持ち球をしっかりと自覚し、逆球が出ない方法論を身に着けておくと、実戦での対応力は格段に上がるはずです。
曲がりをワンサイドにするコツを紹介しますので練習してみてください。
【通勤GD・今日のポイント】絶対に逆球が出ない打ち方もある
【フック防止】フェースを開いて上からぶつける
フックを防ぐということは、スライスさせるということ。アドレスの段階から少しフェースを開いて構え、カット気味に上からぶつけるように打てばフックはしにくい。
【スライス防止】フェースをかぶせて頭を残して振る
右に行かせるためには、大きく曲げるフックを打つイメージ。フェースをかぶせて構え、頭を残してヘッドを放り出すように振り抜くことでスライスはしにくくなる。
月刊GDより