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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.127 あなたのパット「絶対に入る距離」はどれくらい?

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

パットが得意じゃない人は、1ラウンドに1回は、3パット以上がある。なぜだろう? 友人で考察してみた。すると、3パット以上叩くときのほとんどが、カップを“行ったり来たり”するパターンであることがわかった。例えば4パットの場合、ファーストパットがショート。セカンドパットもショート。その次もショート…というのはあまり見ない。ファーストパットもセカンドパットもショートしたら、さすがにその次は強く打つため、オーバーして4パット。

じゃ、なんで強く打ってしまうのか? まぁ、さすがにカップには近づいているので、どんなに遠くても70センチぐらいだろう。そうすると、もう「これは入るやろ」と思ってしまうのだ。で、しっかり打って、入れにいく。その結果、オーバーとなる。どうかな? 思い当たる節、あるでしょ。

ってことは、反省すべきはファーストパットのノーカンではない。カップに近づいたときに湧き上がる、「これは入るだろ」という過度の期待と自信だ。ちなみに、みなさんは、1パットで確実に入れられる距離って、どのくらいだと思う?

ボクは30センチ。これなら、ほぼほぼ1パットで入ると思う。でも、1メートルあったら、もしかしたら外れるかも、と思って打っている。ましてや、1.5メートルあったら、もう「入ったらいいな~」とさえも思わないので、無理には狙わない。

50センチでも100%の自信はない。普通だったら入るけど、ひょっとすると芝目に蹴られることもあるかもしれないし、急に突風が吹いて流されるかもしれない。実際、経験あるし。だから、もうほぼほぼ入るといったら、30センチぐらいなのよ。3パットはあまりしない、自他ともに認めるパット上手のボクでさえ、そんなもん。

だって、入ると思っていた50センチが入らなかったらショックだよね。それが原因でイップスになることもあるので、「外れることもある」と思っていたほうが、気持ち的にも楽だ。なので、パットが苦手だと自覚する人は、グリップを変えたり、ストロークを変えたりする前に、意識改革をしてみては?

「これは入るやろ」の距離を控えめに設定する。そうすれば、入れにいった結果オーバーしてしまい、“行ったり来たり"することも減るだろう。もちろん、芯に当たらないと話にならないので、一度動画でストロークを確認してみるのもおすすめ。その際、スマホをボールの先にセットし、フェースにフォーカスしてみて。

短いパットを外す人は、もしかするとちゃんと真ん中で構えているのに、ヒール側でインパクトしている。なんて気づきもあるよ。渋野日向子プロを見ていると、パットは強気に攻めるべし、なんて思うかもしれないけど、アマチュアは1打で入れる回数を増やすよりも、3パット以上を減らすほうが先決だと思うよ。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年10月15日号より