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【イザワの法則】Vol.44 打つ前に弾道をしっかりイメージしていますか?

プロは、これから打つショットを頭の中で思い描いて、スウィングでそれを具現化する。つまり、イメージ力がショット力と強く結び付いているということ。アマチュアにも、それは可能なのだろうか?

TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

前回のお話はこちら

「数字」だけでは本当の調子は
わからないこともある

ゴルフでは、調子がいいのにスコアはよくないということもありますし、調子が悪くても「たまたま」いいスコアで回れることもあります。そういう意味では、自分のゴルフがどういう状態なのか、客観的に判断できる力は必要かもしれません。たとえば、前半9ホールのうち、5ホールでパーオンしたとします。同じ「9分の5」でも、調子がよくてピンを狙っていった結果、4ホールでグリーンを外した「9分の5」と、ダフったりトップしたりしたけど、運よく花道から転がって5ホールはグリーンに乗った「9分の5」では、内容がまるで違います。本当は調子がいいのに自重するのはもったいないですし、調子が悪いのに攻め続けるのは「無謀」というものです。

プロの場合、自分の調子を測るバロメーターは人それぞれですが、スタートして数ホールで、しっかりつかまったボールが出るというのは、誰にも当てはまる好調のサインではないでしょうか。私自身は、朝の練習での調子がほぼ100%、コースでも継続するタイプで、練習が好調ならコースでも好調、練習場がダメならコースでもそれなりなので、コースに出てから「あれ?」となることはほとんどありません。ただ、人によっては、練習場でダメでもコースでは好調とか、練習場で絶好調だったのにコースで失速というケースもあるようです。


調子がいいと
プレーのリズムもどんどんよくなる

集中力が極限まで高まると、打つ前にショットの「線」が空中に見える、なんていう話がありますが、そこまではっきりしたものでなくても、「これはフェアウェイに行く」とか、「これはグリーンに乗る」という“予感”はあります。私はどちらかというとスロースターターなので、スタートして5ホールくらいは消化しないと、そういう状態にはならないですが(笑)。実際にこれから打つ弾道が「線」になって見えたことも、今までに2、3回はあります。おそらく、プロならそういう経験がある人は多いんじゃないかと思います。アマチュアの方が普段プレーするのに、そこまでの集中は必要ありませんが、次にどういう球を打つのか、具体的にイメージすることは、ショットの成功率を上げることにつながります。

また、一緒に回っているプレーヤーの、プレーのリズムを見ると、その人の調子がわかります。調子がいい人はショットの決断も早く、いいリズム、テンポで打つので、それがさらに調子を上向きにする感じがありますが、調子が悪い人はショット選択がなかなか決まらず、アドレスに入ってからも迷って仕切り直したりするので、プレーのリズムが悪いです。ピンまで残り150ヤードで、ピン手前2ヤードのところにマウンドがあるとして、調子がいい人はあまり気にせず普段通りの番手で打っていきますが、調子が悪い人ほどマウンドをどう越すか悩んでしまって、「普段なら8番だけど、7番でスライス?」みたいになることが多い気がします。マネジメントはもちろん大事ですが、考えすぎはあまりいい結果につながりません。

「たとえ絶好調でも2、3回はフェアウェイを外す。
いい外し方なら気にする必要はない」

調子がいいと自然とリズムがよくなる

ボールの後ろに立って、どんな球を打つかイメージしたら、打ち出したい方向の地面に何か目印を探す。実際に打つときは、その目印の方向にボールを出すという1点だけに集中する。必ずしも、空中の軌跡までぴったりイメージ通りでなくてもいい

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2024年7月号より