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【通勤GD】高松志門・奥田靖己の一行レッスンVol.36 「アプローチは鳥になれ」ゴルフダイジェストWEB

「パター一辺倒はあかん。ゴルフの醍醐味を放棄しているようなもの」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第三十六話。

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

奥田 グリーン周りに来ると、すぐにパターを持ちたがるアマチュアが多いですけど、アプローチは鳥にならんとあかんですね。

高松 ほんまやね。ゴルフはバーディとかイーグルとか鳥の名前が出てくるように、ゴルフ全体が大空を飛び回るような壮大なスポーツやから、地ベタを転がしまわってる場合やないわ。まあ1ラウンドに一回くらいやったらええけど。

奥田 アプローチもショットのひとつ。高く上げるにしても、低く転がすにしてもやっぱりつねに空中を使うべきです。

空中を飛ぶ「鳥」になるのがアプローチ

高松 すずめが“ちょんちょん”と行くようにね。最初から地面を使ってコロコロと静かに行くのなんて夜這いや。少なくとも鳥ではない。ジッと獲物を狙うとるトカゲやね。それにパター一辺倒は時間がかかるやろ。逆目の芝で食われる計算とか、ラインとか。

奥田 まあパターで行けば、大ミスはないですけど、ゴルフの楽しみみたいなものは感じられないですよね。

高松 空中を使って、どうやって寄せようか無限に選択できるからゴルフは面白いし、そこが醍醐味。

アプローチは空中戦

転がし一辺倒ではコースに謝り続けているのと一緒

奥田 例えば池越えのアプローチを、池にかからない方向に打ってグリーンに乗せて、そこからパーを取ったいうて喜んでいる人もいますけど、それはただ池から逃げただけの話。

高松 高い金払うて、一日中コースに謝り続けてるのと一緒やね。

奥田 池は避けるためにあるんじゃなくて、快感を得るためにあるんです。「さあ、どんな球で池を越えてきますか?」とコースが聞いているようなもの。ゆっくりフワッと上げてもいいし、ギリギリに落として転がしてもいい。これこそ池に1回いれてから飛び跳ねさせて出してもいい。そんないろんな楽しみがある。

志門プロの水切りショット

高松 池からピンまでの狭いスペースを楽しむ気持ちを持ってもらいたいね。それも1種類のアプローチで、そればっかりというのはあかん。

奥田 すぐにパター持つ人よりまだだいぶマシですけどね。

高松 必ずパターでアプローチする人もそうやし、アプローチも1種類だけという人は、いつも同じ打ち方やから距離感が合いやすい。ただ、最初はピッタリ寄せたら一緒に回ってる人も「上手い!」というてくれるけど、そのうちに誰も拍手喝采しなくなる。そういう人の反応も見た方がええね。

奥田 こないだ僕の弟子の女子プロに、グリーン周りの同じ場所に9個ボールを置いて、「ここから9通りの寄せ方をしてみい」言うたら、もう4つ目くらいから打てなくなりました。

いろんな寄せ方をした方がいい

高松 普段から鳥に慣れきれてないから、球筋の絵が描けなくなるもんやろ。

奥田 同じ場所から同じピンに対して打っていくんでも、ほんまは8種類も9種類も違う寄せ方があるいうことを早く気が付いてもらいたいんですけどね。先生なんか、1ラウンドで同じ打ち方のアプローチは絶対2回しませんもの。

高松 プロとしてやっぱり後ろ指さされたくないいうか、「それ、さっきやったやん」と思われたくないからな。だからやることなくなったら、しまいにドライバー振って、ソールにかすらせて寄せたりな(笑)。

【通勤GD・今日のことば】アプローチは鳥になって、球筋の絵を描くんや

月刊GDより