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【UTの打ちこなし方】#3 切り返しで“左足を踏み込む” 絶対上から入ります

ユーティリティを打ちこなすためのポイントを富村真治プロが指南。最後は、しっかりと上からヘッドを入れていくために意識すべきポイントと、オススメの練習法を教えてもらった。

PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/ザ・カントリークラブ・ジャパン(千葉県)

富村真治 とみむら・しんじ。1991年生まれ、沖縄県出身。東北福祉大を卒業後、13年にプロデビュー。昨年、ABEMAツアーで10年ぶりに優勝を果たした。今季レギュラーツアー参戦でUTを投入してシード獲得を目指す

切り返しで左足かかとを踏む

――ヘッドを上から入れようとすると、逆に手打ちになることはありませんか。

富村 それを解決するには、ダウンスウィングの始動がポイントになります。それが左足です。

――具体的には?

富村 ダウンスウィングに入るとき、左足かかとを踏み込むんです。これはダウンブローに振りやすくなる動きにもつながってきます。

――踏み込むと上から振り下ろすイメージがしやすいですね。

富村 さらにUTはソール幅が広いので、多少ボールの手前にヘッドが入ったとしても、上から振り下ろしていればソールが滑ってくれます。

――極端な話ですが、ヘッドの最下点はボールの手前でも大丈夫なのでしょうか。

富村 理想はボールより少し目標方向寄りですが、手前でも大丈夫です。ただ、ボールをセンターより極端に左足側に置きすぎるのは良くないです。ボール位置はスタンス真ん中から左へ最大でボール2個まで。そして、ヘッドの最下点はスタンスの真ん中より左足寄りならOKです。ボールを左に置きすぎてしまうと、あおり打ちの原因になりダフリやトップのミスが出やすくなるので注意してください。自分のスウィングに合ったボール位置を見つけることも練習では重要です。


左足内側がめくれないよう我慢

左足かかとを踏み込むときに、左足内側がめくれるとクラブが寝て下から入りやすくなる。左足内側がめくれないように我慢すると、体の軸がキープされてヘッドが自然に上から下りてくる

ヒールアップも効果的

テークバックで左足をヒールアップすることは、下半身から動かすコツをつかむための効果的なドリルにもなる

ボールより先で最下点を迎えるのが理想

UTは多少ボールの手前に入っても滑ってくれるのでダフリなどのミスは起こりにくいが、理想のヘッド最下点はボールより先。あとは手打ちにならないようにダウンスウィングで左足かかとを踏んで振れればヘッドが下から入る動きはなくなる

左足寄りにボールを置きすぎると、アッパー軌道でなければボールに届かないのでトップになりやすい

強振する必要はない

――やはりUTはプロにとってもお助けクラブですか?

富村 もちろんです。ラフに入ったときでも、ボールのかなり手前からヘッドを入れて打てますし、ライが悪いところからでもダフらないようにフェースの少し下側で打っても、普通に飛ばすこともできます。UTは簡単に打てるクラブですけど、逆に簡単だからといって振りすぎには気を付けてほしいです。もともと、ヘッドやクラブの構造上、普通に打てさえすれば飛距離も高さも自分が思った以上に出ると思います。ですので、強振することなくミートを心掛けて振ってください。

――最後にUTの特別なドリルがあれば教えてください。

富村 ミート率を上げる意味でも右腰から左腰の振り幅で打つ練習が効果的です。その振り幅でもかなり飛ぶことがわかれば大振りすることがなくなってきます。さらに、左足かかとを上げ下げしてリズムよく振れれば、手打ちによるミスはなくなるので、よりミート率が上がってUTを上手く使いこなせるようになりますよ。

真ん中に当てようとするとダフりやすい

フェースの真ん中に当てようとする意識が強すぎると、軌道が鋭角になりすぎて大ダフリのミスが出やすくなる。構造上、フェースの下側に当たっても十分飛ばせることを理解しておこう

ミート率を高める
ハーフショットドリル

コンパクトに振ってUTのミート率を高めるドリルをやっておくと、林の中でライが悪い状況などで、低く打ち出して距離も稼ぎたいときに大きな武器になる

週刊ゴルフダイジェスト2024年4月2日号より