【読者記者】No.1852「60〜70ヤードのアプローチが上がりすぎて距離感が合いません」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「アプローチで球が上がりすぎて距離が合わない」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Hiroshi Yatabe TEXT/Daisei Sugawara THANKS/honobo Golf
読者記者No.1852 田中智之さん
●55歳 ●会社員 ●168cm・55kg ●ゴルフ歴/30年 ●ベストスコア/85 ●アベレージスコア/96 ●ドライバー飛距離/230ヤード
先生/井上靖
71年生まれ、神奈川県出身。本能的で体にやさしいスウィングを追究。「八王子ニューゴルフ」、「honobo Golf」、「飛鳥ゴルフ練習場」、「相模川ゴルフガーデン」でレッスン中
田中さんのお悩み
「60〜70ヤードで距離が合わない」
アプローチが上がりすぎてショートしたり強く転がりすぎてオーバーしたりします。とくに60〜70ヤード以内くらいで距離感が合わせにくいです。
スタンス幅は狭くしているものの、打ち方自体はショットに近い。リリースがやや早く、インパクトロフトが一定になりづらい形
田中 60〜70ヤードくらいの距離感がなかなか合いません。
井上 2つ問題点があって、ひとつはリリースが早いことですね。インパクト前に右手首の角度がほどけてしまうので、インパクトロフトが安定していません。もうひとつは、インから下ろしすぎなことで、そうなるとインパクト前にクラブが寝てヘッドが落ちるので、ダフリの危険性が高くなります。
田中 確かに、よくダフります。
井上 まずは、右手首の角度をキープして、ハンドファーストの形でインパクトする感覚を身に付けましょう。たとえば、アドレスの状態から、テークバックなしでボールを飛ばす練習が効果的です。
田中 難しいですね。かなり手元を先行させないと、フェースにボールが乗りません。
井上 その感覚に加えて、クラブを少し外に上げてやると、ヘッドが上からクリーンに入って距離感が合いやすくなります。
<問題点>
インパクト前にリリースしている
早めにクラブをリリースしてしまうため、ロフトが寝た形で入りやすく、思ったより距離が出にくい。また、ダフリやトップの危険性も高まる
記者「転がりすぎたり上がりすぎたりします」
コーチ「インパクトロフトを一定にするのがコツです」
アプローチは飛ばすショットではないので、右手首の角度をキープして、クラブをリリースせずにインパクトするのがいい。入射角、インパクトロフトを一定にすることで、振り幅などによる距離コントロールが容易になる
右手のひらを地面に向けるイメージ
ハンドファーストに当てるには、右手のひらを地面に向けたまま下ろすイメージを持つといい(写真右)。インパクト後も右手首をほどかず振って、フォローまで右手首の角度をキープ(写真左)
Drill
アドレスの状態からフォローだけで打つ
ややハンドファーストの形でアドレスし、そこからまったくテークバックをとらずに、フォローの動きだけでボールを飛ばす。アドレスよりもハンドファーストを強めるイメージで振るのがコツ。ロフトを立ててインパクトする感覚がつかめる
Point 1
テークバックは少しアウトに上げる
テークバックをやや外に上げて、全体の軌道を弱いアウト‐インにする。ヘッドが上から入りやすくなり、インパクトロフトが安定する
Point 2
「L字」を距離の基準にする
腕とクラブが「L字」になるように左右対称に振り、それを基準の距離感にする。振り幅は変えずに、振る速さを変えて練習すると距離感が磨かれる
<取材後記>
打ち方が根本から変わった
自分が思っていたより数段、ハンドファーストを強くしないといけないというのが驚きでした。それに、軸回転でイン‐インに振るより、アウト‐インのほうがきっちり当たりました。
基準の距離が安定してきた!
基準となる「L字」の距離を作り、ヘッドが上から入ることで、打ち出し角やスピンも安定してきた。あとは、自分なりの距離の「物差し」を作れば完璧
月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より