【読者記者】No.1850「アイアンでトップすることが多い。上体が起き上がるのが原因だと思うのですが…」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「アイアンがトップしやすい」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Hiroaki Arihara TEXT/Daisei Sugawara THANKS/東宝調布スポーツパーク
読者記者No.1850 吉永恭将さん
●41歳 ●美容師 ●179cm・75kg ●ゴルフ歴/6カ月 ●ベストスコア/99 ●アベレージスコア/110 ●ドライバー飛距離/250ヤード
先生/濱田塁
68年生まれ、東京都出身。高校卒業後、渡米しゴルフ修業。ゴルフ理論や指導法なども学ぶ。複数のスクールのヘッドプロを歴任し、現在は「東宝調布スポーツパーク」でレッスン中
吉永さんのお悩み
「アイアンでトップしやすい」
練習場ではそうでもないんですがコースだとトップがよく出ます。自己流でセットアップなどをいろいろ調整してもうまくいきません。
フォローでも右足のかかとがほとんど上がっておらず(4コマ目)、下半身の回転不足により、重心がやや上ずってしまっている
吉永 コースでアイアンのトップがよく出ます。
濱田 アドレスで腰(骨盤)が立ちすぎていますね。そうすると、ダウンスウィングで手の通り道が狭くなるので仕方なく上体を起こして打つんですが、そのときに重心が上ずってトップになります。
吉永 なるほど。
濱田 なので、まずは手の通り道を確保するために、アドレスでは骨盤を前傾させて構えます。そうすると、ダウンスウィングで手の通り道が広くなるのがわかるはずです。
吉永 確かに。ただ、骨盤を傾けたことで腰を横に回しにくくなった感じがするんですが……。
濱田 骨盤を傾けると、左右の股関節を使いやすくなるので、腰を水平に回すというより、股関節を切り上げて「3D」に回せるようになります。すごく短いクラブを使って打つと、左右の股関節の使い方がよくわかりますよ。
<問題点>
骨盤が邪魔して手を振れない
骨盤が、真っすぐに立っているときとあまり変わらない角度になっているため、ダウンスウィングで手を通すためのスペースが狭い
記者「なるべく自然な立ち方を意識しています」
プロ「骨盤を前傾させないと手が詰まっちゃいます」
ベルトのバックルを地面方向に向ける
上体を前傾させる際に、背中を丸めるのではなく、背中は真っすぐにしたまま骨盤から前傾させる(写真)。ベルトのバックルを下に向けるイメージ。その後、ひざを少し曲げてバランスを整えるとアドレスが完成する
記者「腰って横に回すものですよね?」
プロ「股関節を使って3Dで回しましょう」
短いクラブでボールを打つ
練習用の短いクラブを使って(あるいは、ショートアイアンを極端に短く握って)ボールを打つと、骨盤前傾が強調され、左右の股関節を切り上げながら斜めに腰を回転させる感覚がわかる。逆に、股関節をうまく動かせないと、ヘッドがボールに届きにくい
Point 1
フォロー側では左尻を引く
骨盤を前傾させて構えることで、インパクトまでの手の通り道は確保されるが、その後、フォローにかけては左尻を引くことで、スムーズに手を振り抜ける
Point 2
右足かかとを上げると下半身が回転しやすい
インパクトを過ぎたら、右足かかとを意識的に上げるようにすると、下半身の回転が促され、フィニッシュまでスムーズに振り切れる
Drill
股関節のところでクラブを挟んで振る
股関節のあたりにクラブをあてがい、腰を深めに曲げ、挟んで固定する。クラブを落とさないように意識して小さく素振りをすると、股関節を動かす感覚がわかる
<取材後記>
前傾姿勢が崩れなくなった
上体が起きてトップすることには気付いていて、それも悩みでしたが、骨盤の角度を意識したら前傾が起きなくなりました。ベルトのバックルを目安にするのはいい方法ですね。
月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より