【寄せワンが増えるアプローチ①】浅地洋佑プロと池村寛世プロが実践する一番やさしい30ヤード!
この前のラウンド、何回アプローチしただろう。そのうち何度、ピンに寄せられただろう。フツーに寄せたらパーが取れそうな状況から、ザックリやって素ダボ、絶好の第3打をバーディチャンスにつけられなくて、上がってみたら単なるボギー、なんてことになっていないだろうか。「フルショットは上手くても、70ヤード以下になると苦戦する人は多いですね」というのは、SWの名手、浅地洋佑プロと池村寛世プロ。さっそくアベレージゴルファーが苦手にしている30・50・70ヤードのコツを聞いてみよう。
花道からはトントン・トロトロ
GD まずは花道から残り30ヤードのアプローチ。浅地プロのイメージは?
浅地 SWで20ヤードキャリーさせて、そこからトロトロと10ヤード転がすイメージですね。大事なのは最初のバウンドの落としどころを明確にイメージすることですよ。
浅地 ボールを上からクリーンにとらえたいので、右足のつま先前ぐらいにボールを置いて、手先ではなく体の回転で打っていきます。
GD 短い距離でも、しっかり体を使って振るんですね。
浅地 体の中心よりも右にボールがあるので、ヘッド軌道はややインサイドアウトになります。ボールを包み込むように、インパクトからフォローでフェースをターン。余計なスピンを抑えて、手前からランを使って寄せます。
トントントロトロで寄せる4ポイント
【ポイント①】左体重でアドレス
浅地 低めに打ち出して、ランを使って寄せたいので、アドレスで体重を左に乗せ、ボールを右足寄りに置きます。こうすることでヘッドがボールに対して上から入って、最下点の手前でインパクトできます。ロフトが立って当たるので、ボールは低く飛び出します。
【ポイント②】体のターンでヘッドを動かす
浅地 インパクトが安定しないのは、手先でクラブを操作しているから。アドレスの左足体重をずっとキープして、手とクラブは体の正面に置いたまま、体の回転で振ります。
【ポイント③】ボールが右寄りにあるのでインサイドアウト軌道が自然
浅地 インサイドアウト軌道でフック回転をかけるイメージ。スピンはかかり具合を一定にするのが難しいので、抑えて打ったほうが距離感も合いやすいです。
【ポイント④】落としどころはピンの5~10ヤード手前
浅地 2バウンド目にスピンでブレーキがかかって、そこから先はトロトロと転がしていきます。グリーンの速さや傾斜によって、ピンの手前5~10ヤードに落としどころを設定します。
池村プロはトン・コロコロ
【ポイント①】フォローで胸を下に向ける
池村 30ヤードで転がしが使える状況なら、SWよりもPWを使ったほうがやさしいですよ。コツはフォローで胸を地面に向けること。フォローでヘッドを低く出すイメージです。
【ポイント②】落としどころはエッジの少し先
池村 ボールがエッジから近い状況であれば、落としどころはエッジの1ヤード先ぐらい。5ヤードだけキャリーさせて、25ヤード転がすイメージ。花道はまず転がせるかを考えるといいですよ。
ラフからの30Yは順目、逆目を見る
浅地 ラフからのアプローチはボールがどういう状況にあるかの判断がいちばん大事。どの程度、ボールが芝に潜っているのか。ボールの下にヘッドが入るスペースがどのくらいあるか。芝の抵抗は強いのか弱いのか。順目か逆目かでも打ち方は変わります。ライを見極めたら、あとはボールの高さに合わせて、ヘッドを振り抜いていけば、フェースの芯で打てます。
【ポイント①】球の浮き具合を見て、フェースの真ん中でとらえるように
浅地 ラフからアプローチしたとき、フェースのどこにボールが当たったかチェックしてみてください。打点が上や下にズレるのは、ボールの状況を把握できていなかった証拠。方向性と距離感の両方を合わせるには、フェースの上下左右の真ん中で打つことが必要なんです。
【ポイント②】手前の芝ごとザザッと払い打つ
浅地 フェースの真ん中で打つには、手前のラフごと払い打つように振るのがコツ。上から打ち込みすぎると、フェースの上に当たってダルマ落としになりやすいので注意が必要です。
浅いラフはフェースを少し開く
浅地 テークバックで少し手首のコックを入れ、ヘッドをやや上から入れます。フェースを開いたほうが、ヘッドの抜けがよくなります。
深いラフは重心を下げて左足体重のまま振る
浅地 長くて深いラフにボールが沈んでいるときは、バンカーショットのイメージで打ちます。イパクトでゆるまないように注意します。
逆目のラフは大きくゆったり振る
浅地 フェースが突っかかりやすいので、通常よりも振り幅を大きく、ゆったりと振り抜いていきます。順目なら普通の打ち方でOKです。
30Yのスピンアプローチはフェースを開いてカット軌道
GD ピンが手前寄りでエッジから距離がない場合は、転がしが使いにくいですよね?
池村 そういうときは、スピンを利かせた低い球で止めにいきますね。
GD 多くのアマチュアが憧れる、“トン、トン、キュッ”ですね。
池村 スピンを利かせたいときは、まずアドレスでフェースを開いて構えます。あとはアウトサイドインのカット軌道で、ボールを上からダウンブローにとらえるんです。
GD フェースは開いたままでいいんですか。
池村 フェースを返すとスピンがかからず、ランが出てしまいます。フェースを開いたままインパクトして、フォローでグッと押し込んでいくイメージ。フォローまでフェースは空を向いたまま。
【ポイント①】フェースを開いたまま押し込んでいく
池村 ボール位置は左足かかとの前。目標に対してフェースをスクェアではなく、開いて構えます。フェースを開いたままインパクトして、フォローで低く押し込んでいき、フェースに長くボールを乗せます。
【ポイント②】ヘッド軌道はカット&ダウンブロー
池村 アドレスでは左足に体重を少し多めにかけ、ボールに対してゆるやかなダウンブローでヘッドを入れていきます。軌道はアウトサイドインのカット軌道。ボールがフェースのヒール側からトウ側へと、下から上に斜めに駆けあがっていきます。
【横から見ると】
【上から見ると】
30ヤードのスピンアプローチショット
TEXT/Toshiyuki Funayama
PHOTO/Yasuo Masuda、Norio Tsuburaoka
週刊GD2019年9月17日号より
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