【ゴルフジム】「ドライバーで右にも左にもミスが出てしまいます」
読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは「ドライバーの方向性が安定しない」というもの。その解決法とは?
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/ダイナミックゴルフ千葉
教える人/齊藤かおり
さいとうかおり。岩手県出身。29歳でゴルフを始め、米LPGAティーチング資格を取得。20年、同A級取得。ドラコン競技で342Yの日本記録を達成し、世界大会にも出場。ドラコン日本大会10勝。(株)岐本金属所属
<今週のお悩み>
「ドライバーで右にも左にもミスが出ます」
●奈良 容平さん(46歳/ゴルフ歴20年/ベストスコア90/平均スコア100/身長169cm)
足がある程度動いていて、体もきちんと回せているが、それ以上に「手」で振っている印象のスウィング。とくに、ダウンスウィング後半からフォローにかけては、かなり手の力が強い(3~4コマ目)。この部分では、もう少し腕と体を連動させたい
奈良 ドライバーが真っすぐ飛ばなくて……。
齊藤 切り返し部分の力みが強くて、ダウンスウィングの通り道が安定していませんね。トップでは、クラブが背中側にループして、上がってきた軌道より少し下側のプレーンに下ろせるといいんですが、奈良さんの場合は、切り返しのループが逆になって、シャフトが前倒しになって下りることが多くなっています。
奈良 そうなるとアウトサイドインで、スライスということですね。
齊藤 そういうことです。それを防ぐためには、手で振る感覚を少し抑えて、体を使って振る必要があります。とくにテークバックの前半で、右手の力で簡単に上げるんじゃなくて、両手を伸ばしたまま、体の回転で上げていくようにしてみてください。
切り返しでクラブが暴れすぎています
奈良 今までより腹筋を使うのがわかりますね。以前、バレーボールをやっていたんですが、体の右側に飛んできたボールをレシーブする感覚に似ています。
齊藤 腹筋を使う感覚はすごくいいです。それがテークバックからダウンスウィング、フォローまで続くように意識すると、インパクトゾーンのクラブの通り道が安定して、球筋もひとつに決まってくるんです。
奈良 なるほど。
齊藤 重いボールを両手で持って、振り子みたいにぶらんぶらんしたり、トップまで上げてから真下の地面に向かって叩きつけたりすると、腕と体を連動させる感覚がつかめます。
これで解決!
「手の力を抑え
体の回転で上げていこう」
両手でボールを投げる感覚でテークバック
テークバックでの腕と体の使い方は、重いボールを両手で持って、自分の右側にいる人に軽く投げるときとほぼ同じ(写真)。腕だけで投げるのではなく、体全体を使って投げるとボールの方向(=テークバックの軌道)が安定する。
Point
テークバック途中まで両腕は伸ばしたまま
テークバックで早めに右ひじをたたむと、体の回転がついていけずに、手だけの力で上げてしまいやすい。始動からしばらくは、両腕を伸ばしたまま上げるように意識すると、体を使って上げられる。
Drill 1
両手で持ったボールを地面に叩きつける
両手で持ったボールを、真っすぐ地面に向かって投げる。手だけで投げようとすると、ボールが落ちる位置がバラバラになるが、体も使って叩きつけると、同じ場所に強く投げられる
Drill 2
右手一本でボールを打つ
ドライバーを右手だけで持ち、大きくゆったり振ってボールを打つ。手だけで振ろうとすると、うまく当たらない。インパクトゾーンで腕と体を一体にして振る感覚がつかめる。
週刊ゴルフダイジェスト2023年9月19日号より