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【読者記者】No.1824<後編>「下半身リードの切り返しが上手くできません」

読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「下半身から切り返す動きが苦手」というもの。果たして解決方法は?

PHOTO/Hiroaki Arihara TEXT/Daisei Sugawara THANKS/クレアゴルフフィールド

上半身と下半身の分離 練習法
平下史彦 読者記者

読者記者No.1824 平下史彦さん

●60歳 ●会社経営 ●ゴルフ歴30年 ●ハンディキャップ11 ●ベストスコア/72 ●179cm・64kg ●ドライバー飛距離/230ヤード

先生/本多広一郎トレーナー

整体師、カイロプラクティック師の資格を持ち、体の動きに精通。体の使い方の面からスウィングをサポートしてくれる。TPIレベル2インストラクター。スポーツメディア株式会社所属

本多広一郎

>>前編はこちら

平下さんのお悩み
「上半身と下半身が一緒に動いてしまう」


前回、切り返しで「上半身から動き出している」と堀田晃宏プロから指摘されたのですが、下半身から切り返す動きが苦手なようで、教わったようにうまく動けないんです。


平下 下半身から切り返す動きというのが、どうにも難しいです。

本多 切り返しでの動きは、上半身と下半身の「分離」といって、苦手な人は多いです。でも、上体を動かさずに骨盤(腰)を回すというのは、真っすぐに立った状態なら、実はほとんどの人ができるんです。

平下 あ、本当ですね。

本多 上体を前傾させて行うと、それが急に難しくなります。なので、最初は椅子の背につかまるなどして、上体を固定して訓練(エクササイズ)するのがおすすめです。上体が固定されていると、分離動作は比較的簡単です。慣れてきたら、片足を上げて、反対の足のひざの裏で固定して下半身を回します。

平下 椅子の支えがあると、なんとか下半身だけ回せます。

本多 最終的には、支えなしで片足ずつやれるようになると、切り返しがかなりスムーズになります。それと、アドレスでは背中を「S字」に反らせないことが、骨盤のスムーズな回転には不可欠です。

<問題点1>
アドレスで腰が反って骨盤が動きにくい

アドレスで腰が反ってしまう「S字姿勢」は、スウィングの正しい動きを妨げてしまう大きな要因。骨盤がうまく回転できずに、横ずれしてしまうことが多い


<問題点2>
骨盤をその場で回転できない

両手を胸の前に組んで前傾し、上体は回転させずに腰を回す。骨盤の動きが悪い人は、アヒルが歩くときのように尻が左右に揺れてしまう

直立姿勢なら誰でも簡単に回せる

「骨盤を回す」のがどんな動きか知るには、直立し両手を広げた状態で腰を回すといい(写真)。上体を回さず、腰だけが回る感覚がつかめるはず

エクササイズ1
腹筋と背筋で骨盤の傾きを変える

上体を前傾させ、まず腰の上部(背中の下側)を反らせるだけ反らせて、背中を「S字」にする(写真右)。次に腹を引っ込める要領で、それまで反っていた部分を丸くする(写真左)。この中間の、腰から背中までが真っすぐになるところが、アドレスでの理想形(「反らす⇔丸める」を20セット)

エクササイズ2
椅子につかまって腰を回す

椅子の背もたれを支えにして、前傾した上体が動かないように固定し、下半身だけを回す。片足を上げ、反対の足のひざ裏にくっつけて行うとさらに効果的(写真)。上げた足のひざだけを動かさないように、ベルトのバックルの向きを意識して行う(片足20回ずつ)

エクササイズ2の発展形
椅子の支えなしで骨盤を回す

最終的には、支えなしで片足ずつ、骨盤だけを回せる状態を目指す(写真)。バランスの強化にもなり、スウィング全体の精度を上げられる

切り返しで下半身から動き出せるようになる!

エクササイズ2を続けることで、切り返しの瞬間に、上半身がまだテークバック方向に動いている間に下半身だけを目標方向にねじり戻す動きができるようになる

<取材後記>
やったことのない動きだった

堀田プロの、飛ばすための7項目では、ヒールアップがいちばん振れる感じがしました。それに、本多トレーナーから教わった「分離」の動きができれば、もっと速く振れそうです。

月刊ゴルフダイジェスト2023年8月号より