テーラーメイド「P700シリーズ」徹底研究 #2 やさしさもある軟鉄“鍛キャビ”「P7MC」アイアン【ギアプロファイリング】
世界のトッププレーヤーが全幅の信頼を寄せるテーラーメイドのNewアイアン「P700シリーズ」。「P7MC」はプロのリクエストが詰まった軟鉄鍛造のキャビティバックアイアン。シャープな見た目ながら、やさしさも持ち合わせていた!
PHOTO/Tsukasa Kobayashi、Hiroaki Arihara THANKS/GOLF PLACE
試打・解説/勝又崇之
専修大学卒業後の08年プロテストで木下裕太、片岡大育らを抑えトップ合格。ギアへの造詣も深く、自らの試打データを弾道計測器並みの正確さで予測できる。現在は「GOLF PLACE」でレッスンを行う
球が上がる、つかまる
見た目以上にやさしい
「『P7MB』と比べるとブレードがやや長く、ひと回り大きく感じますが、形はほとんど同じで、とてもきれいな顔をしています。ソールの据わりもよく、トップブレードにやや丸みがあるため、非常にすっきりとした見た目ながら、構えたときに安心感があります」とP7MCとP7MBを比べる勝又プロ。
「非常に細かく、ていねいに仕上げられたバックフェース。『MC』は『マッスルキャビティ』の略だそうですが、言い得てますね。マッスルバックのバックフェースを少し彫り込んだような形状。軟鉄鍛造キャビティなので『P7MB』同様、とにかく軟らかくて分厚い、気持ちのいい打感。『P7MB』と比べてボールのつかまりもよく、操作性もあって球をコントロールできる。それでいて多少芯を外しても、ほとんど曲がらず飛距離のロスも最小限。意外だったのは『P7MB』よりも打ち出しが高く、スピン量も多いこと。どちらも同じロフト角34度で飛距離はほぼ同じなのですが、『P7MC』のほうが高さとスピンの両方で狙ったところに球を止められる、よりやさしいアイアンだと言えるでしょう。顔も打感も飛距離も似ているので、コリン・モリカワが5番と6番を『P7MC』にして、7番からPWまでは『P7MB』というコンボセッティングにしていますが、これも参考になると思います」
軟鉄鍛造の心地よい打感と高い操作性
シャープさの中にやさしさも感じさせる形状
「マッスルバックの『P7MB』とよく似た、シャープないい顔。トップブレードがやや丸みを帯びているので構えた時にやさしさも感じます。軟鉄鍛造なので打感も軟らかくて気持ちいい」( 勝又)。S25C軟鉄を2000トンプレス機を使用して鍛造。通常2~3回しか叩かないところを、5回プレスすることで、より緻密で一貫したフィーリングを実現している
慣性モーメントを大きくし
見た目からは想像できない寛容性
バックフェースのキャビティ部の外周の縁を厚くすることで重量を外側に分散。マッスルバックのような形状ながら慣性モーメントが大きくなり、寛容性がアップ。「見た目からは想像できないほどミスに強く、多少芯を外しても曲がりにくい。それでいて思い通りにボールをコントロールできるほど操作性も高い」
打ち出しが高く球のつかまりもいい
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7I試打データ
P7MC | P7MB | |
---|---|---|
トータル | 173.0Y | 174.4Y |
キャリー | 168.1Y | 167.6Y |
初速 | 55.9m/s | 54.3m/s |
打ち出し角 | 20.8度 | 19.5度 |
高さ | 40.3Y | 33.5Y |
スピン量 | 6400rpm | 5692rpm |
テーラーメイド
P7MCアイアン
◎ヘッド素材/S25C軟鉄鍛造 ◎7Iスペック/ロフト角34度、ライ角62.5度、長さ37インチ、重さ/444g(編集部調べ) ◎シャフト/Dynamic Gold EX TOUR ISSUE(S200):6本セット(#5~PW)17万1600円、単品(#3、#4)2万8600円 DiamanaThump 95:6本セット(#5~PW)17万8200円、単品(#3、#4)2万9700円
週刊ゴルフダイジェスト2023年1月3日号より
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