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【マイギアを語ろう】「350Yで曲がるなら300Yでフェアウェイのほうがいい」河本力の14本

自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回は、ルーキーイヤーながらすでに2勝し、瞬く間にツアーの中心選手になった、河本力のセッティングに注目!

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki

河本力 かわもと・りき。2000年3月3日生まれの22歳、愛媛県出身。平均320Yを超える圧倒的な飛距離を武器に、今季2勝を挙げている。姉は女子プロの河本結

“凶器”だった飛距離が戦える武器に

平均飛距離321ヤードは、ツアーの中でダントツ。2位の清水大成(302ヤード)に20ヤードも差をつけているという驚異の男。だが、その飛距離が昨年までは武器になっていなかった。

「昨年は350ヤード飛ばしていました。でも曲がると隣のホールまで行くので、それだと飛距離が武器にならず凶器になっちゃう。だから、スピン量の多いモデルに替えて、2300回転くらいだったのが3000回転になり、曲がらなくなりました。350ヤードで曲がるより、300ヤードでもフェアウェイにあったほうがいいと。大人のゴルフになったんです(笑)」

本人は300ヤードに飛距離を落としたと言うが、計測値は平均320ヤード。テレビ中継を見ていると350ヤード飛んでいるホールもある。それには振りやすい「顔」であることが影響を与えているようだ。

「少しでも球がつかまりそうな顔だと嫌なんですよ。今使っているクラブは、顔が真っすぐで、若干右を向いているような雰囲気もあります。だから安心して振れています」

シャフトとのマッチングも大切だ。

「手元調子の“ベンタス”を使っています。先調子のシャフトだとタイミングが合わなくて振りにくいんです。45.58インチで使っていまが、それでも僕にはしなりすぎてしまうので、チップカットをして、ちょうどいい振り心地になっています」

ドライバー
キャロウェイ「ローグST トリプルダイヤモンド」

高初速がウリのローグSTシリーズ。河本が使用するのはツアー仕様の「トリプルダイヤモンド」で、シャフトはベンタスブラックという飛ばし屋らしいスペック

フェアウェイウッド
キャロウェイ「エピックフラッシュ サブゼロ ツアーバージョン」

スピンがしっかり入って安定する

基本的に選ぶ基準はドライバーと同じで、構えたときにつかまるイメージが湧くものはダメ。こちらもしっかりスピンが入り、安定感を優先して選んでいる

ユーティリティ
キャロウェイ「Xフォージド UT」

5Wでは飛びすぎてしまう

基本的にウッド型よりもアイアン型を好んで使う。5Wでは飛びすぎるということもあり、飛距離の階段をしっかり作るためにこのモデルを選んでいる。パワーがある分、高い球を打てるのでアイアン型UTでもしっかり止まる

アイアン
キャロウェイ「APEX TCB」「APEX MB」

「僕のために作られたウェッジだと思いました」

飛ばし屋ゆえ2打目が短くなることが多く、「100ヤード飛ばないクラブが欲しい」というのが60度を選ぶ理由。

「60度なら90ヤードまでなので、2打目以降が攻めやすいんです。これはソールの形状が絶妙で、フェアウェイからスクエアに構えて打っても刺さりにくい。バンカーやグリーン周りで開いて使うとバウンスがちゃんと利いてくれるし、どんな状況でもしっくりくるんです」

とくに果敢に攻めてグリーンを外してしまったときの、ピンが近く難しい状況で60度が活躍する。

「このソールは滑りがいいから、短い距離でもスピンがしっかり利きます。60度だと“ポッコン”になってスピンが入らないことがありますが、これはフェースに球が乗ってくれます。削ってもらったわけではなく、最初から僕の打ち方にピッタリだったからもう替えられません。

LW
キャロウェイ「JAWS プロトタイプ」

バウンス8度でもしっかり利く

日本ツアーではもっとバウンスが多くてもいいが、海外志向が強い河本はローバウンス派。「8度でもフェースを開けばちゃんとバウンスが利くからバンカーでも打ちやすいんです」

河本力の14本セッティング

※スペックは編集部調べ。ロングアイアンいずれかを1本抜いてプレー

月刊ゴルフダイジェスト2023年1月号より