【マイギアを語ろう】「350Yで曲がるなら300Yでフェアウェイのほうがいい」河本力の14本
自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回は、ルーキーイヤーながらすでに2勝し、瞬く間にツアーの中心選手になった、河本力のセッティングに注目!
TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki
“凶器”だった飛距離が戦える武器に
平均飛距離321ヤードは、ツアーの中でダントツ。2位の清水大成(302ヤード)に20ヤードも差をつけているという驚異の男。だが、その飛距離が昨年までは武器になっていなかった。
「昨年は350ヤード飛ばしていました。でも曲がると隣のホールまで行くので、それだと飛距離が武器にならず凶器になっちゃう。だから、スピン量の多いモデルに替えて、2300回転くらいだったのが3000回転になり、曲がらなくなりました。350ヤードで曲がるより、300ヤードでもフェアウェイにあったほうがいいと。大人のゴルフになったんです(笑)」
本人は300ヤードに飛距離を落としたと言うが、計測値は平均320ヤード。テレビ中継を見ていると350ヤード飛んでいるホールもある。それには振りやすい「顔」であることが影響を与えているようだ。
「少しでも球がつかまりそうな顔だと嫌なんですよ。今使っているクラブは、顔が真っすぐで、若干右を向いているような雰囲気もあります。だから安心して振れています」
シャフトとのマッチングも大切だ。
「手元調子の“ベンタス”を使っています。先調子のシャフトだとタイミングが合わなくて振りにくいんです。45.58インチで使っていまが、それでも僕にはしなりすぎてしまうので、チップカットをして、ちょうどいい振り心地になっています」
ドライバー
キャロウェイ「ローグST トリプルダイヤモンド」
フェアウェイウッド
キャロウェイ「エピックフラッシュ サブゼロ ツアーバージョン」
スピンがしっかり入って安定する
基本的に選ぶ基準はドライバーと同じで、構えたときにつかまるイメージが湧くものはダメ。こちらもしっかりスピンが入り、安定感を優先して選んでいる
ユーティリティ
キャロウェイ「Xフォージド UT」
5Wでは飛びすぎてしまう
基本的にウッド型よりもアイアン型を好んで使う。5Wでは飛びすぎるということもあり、飛距離の階段をしっかり作るためにこのモデルを選んでいる。パワーがある分、高い球を打てるのでアイアン型UTでもしっかり止まる
アイアン
キャロウェイ「APEX TCB」「APEX MB」
3I(APEX TC) 7I(APEX MB)
「僕のために作られたウェッジだと思いました」
飛ばし屋ゆえ2打目が短くなることが多く、「100ヤード飛ばないクラブが欲しい」というのが60度を選ぶ理由。
「60度なら90ヤードまでなので、2打目以降が攻めやすいんです。これはソールの形状が絶妙で、フェアウェイからスクエアに構えて打っても刺さりにくい。バンカーやグリーン周りで開いて使うとバウンスがちゃんと利いてくれるし、どんな状況でもしっくりくるんです」
とくに果敢に攻めてグリーンを外してしまったときの、ピンが近く難しい状況で60度が活躍する。
「このソールは滑りがいいから、短い距離でもスピンがしっかり利きます。60度だと“ポッコン”になってスピンが入らないことがありますが、これはフェースに球が乗ってくれます。削ってもらったわけではなく、最初から僕の打ち方にピッタリだったからもう替えられません。
LW
キャロウェイ「JAWS プロトタイプ」
バウンス8度でもしっかり利く
日本ツアーではもっとバウンスが多くてもいいが、海外志向が強い河本はローバウンス派。「8度でもフェースを開けばちゃんとバウンスが利くからバンカーでも打ちやすいんです」
河本力の14本セッティング
月刊ゴルフダイジェスト2023年1月号より