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“飛び系アイアン”の火付け役がモデルチェンジ! ヤマハの新インプレス「ドライブスター」は見た目が劇的に進化した

“プラス2番手の飛び”をキャッチコピーに、ここ最近の飛び系アイアンブームの火付け役となったインプレスの「UD+2」シリーズ。根強い人気モデルだが、今月発売される新しいモデルは大きく生まれ変わるようだ。

PHOTO/Shinji Osawa THANKS/クレアゴルフフィールド

解説/堀越良和

小誌試打企画でお馴染みの“キング・オブ・試打”。ドライバーからパターまで、あらゆるクラブを試打するスペシャリスト。小誌で「ギア選びのウソホント」を連載中

マッスルバックかと思うくらい
劇的に見た目が変わりました!

10月21日にヤマハから発売される新インプレスは、これまで3代にわたって発売された「UD+2」ではなく、新たに「ドライブスター」という名称が与えられた。

昨今の飛び系アイアンブームの口火を切った「UD+2」は知名度もあるだけに、モデル名を変更するのは思い切った決断と言えるだろう。この大胆な戦略は、新作に対するヤマハの自信の表れかもしれない。

そこで、この新しいインプレス「ドライブスター」を、歴代の「UD+2」をすべて試打してきた堀越良和プロにチェックしてもらった。新モデルを手にした堀越プロは一目見るなり、

「えっ、これがUD+2の後継モデル? かなりイメージが変わったね。マッスルバックみたいでカッコイイ」と、その劇的な変化に驚いた様子だ。

「これまで歴代のUD+2を打ってきましたが、フェースの高さを抑え、厚めのソールにしたユーティリティ的な形状で、いさぎよく機能性をアピールしていました。それが初代、2代目、3代目と新しくなる度に、少しずつ形状がシャープになり、ソールも薄くなり、アイアンらしさが加わっていきましたが、それでもまだどこかユーティリティ的な雰囲気が残っていました。3代目が出たときは、かなりアイアンらしくなったと思ったのですが、今回はモデル名まで変えてきただけあって、これまでの進化とは比較にならないくらい見た目が大きく変わっていますね。これはちょっと驚きました」

外観が劇的に変わったというドライブスターを打ってもらう前に、堀越プロにはまず、比較対象として用意した3代目のUD+2(7I)を改めて打ってもらった。

「飛びます。7Iだけど5Iの飛び。そして飛ぶだけではなく、ボールも楽に上がる。しかもオフセンターヒットにも強い。オフセットが強めなので球もつかまる。シャフトも軟らかめで、ドライバーのヘッドスピードが40m/s以下のゴルファーにピッタリ。曲がらず上がって飛ぶ。人気がある理由が打てばすぐにわかるクラブです」と変わらず高評価。続いて、新しいドライブスター(7I)に持ち替えた堀越プロ。果たして、その評価は……。

ヤマハ「インプレス・ドライブスター」
●構造/X37精密鋳造、タングステンウェイト ●クラブ長さ/38インチ ●ロフト角/25度 ●ライ角/61.25度 ●クラブ重量/347g(SPEEDER NX for Yamaha M423i・SR) ※スペックは7I

タングステン搭載で低重心化。極薄ソールで反発性能を向上

キャビティ部にタングステンを搭載、重心高は19.0ミリという低重心設計。またソールの肉厚は1.1ミリと極薄で反発性能を向上させている

歴代「UD+2」を振り返る

【2014年発売】
“原型”となった「リミックスUD+2」

UD+2シリーズの原型モデル。ロフトは7Iで26度の設定。「やさしく飛ばせるという機能通りの見た目」(堀越・以下同)

【2016年発売】
初代インプレスUD+2が登場

リミックスからインプレスとなり、ドライバーも含めたフルラインナップで登場。「トウ側が低いユーティリティ的な形状」

【2018年発売】
2代目はトウ側が高くややシャープな形状に

「前モデルと比較すると、トウ側を高くしてシャープな形状になった。ソール幅も薄くなりユーティリティ感を抑えた形状」

【2020年発売】
3代目はロフト立てつつアイアンらしい形状に

「外観がカッコイイと気持ちよく振れる。
ターゲット層が上方にシフトしたね」

ドライブスターの7Iを手にして、早速アドレスに入る堀越プロ。

「おっ、構えたときにバックフェースの出っ張りが見えなくなったので、構えやすくなりましたね。これ大きなポイントです。出っ張りが見えると気になるというゴルファーは意外に多いですから。UD+2は新しくなる度に、この出っ張りを目立たないようにしていて、3代目ではキャビティの内部を黒く塗装する工夫をしていました。ドライブスターではもう気になるという人はいないでしょう」

やさしさを追求して、低重心化を進めたり、重心を深くすると、ソールが厚くなる傾向にあり、これが構えたときにバックフェースの出っ張りが見えることにつながる。しかし、見栄えをよくするためにソールやヘッドの厚みを薄くすると、今度はやさしさという機能性が損なわれることになる。

「この問題をドライブスターでは、タングステンを搭載することで解決したんでしょうね。見栄えはよくなっていますが、機能性が損なわれていないかどうか、実際に打って確かめてみましょう」と言いながらボールを打ち始めた堀越プロ。その評価は?

「見た目はかなり変わりましたが、UD+2の飛距離性能とやさしさはドライブスターにも引き継がれています。ロフトは7Iで25度と変わっていません。ボールも楽に上がる。構えた感じはUD+2とは“別物”ですが、打った感じはUD+2の“正統進化モデル”ですね。それでも変わった点を挙げるとすると、ボールのつかまりでしょうか。3代目UD+2は『つかまりがとてもいい』モデル。ドライブスターはオフセットが控えめになったこともあり、『適度につかまる』モデルと言えます。グリップが細くなったのもつかまり具合を抑えたことをカバーする意味があるのかもしれません」

気持ちよさそうにボールを打つ堀越プロに総合的な評価を聞いた。

「UD+2よりはターゲットを上方にシフトした感じがします。シングルの方でも十分満足できる見た目と性能です。今回打ってみて、クラブは性能も大事ですが、見た目も大事だと改めて気づきました。顔がいいクラブは気持ちよく振れます。それもクラブの重要な性能のひとつだと思います」

【ここが変わった1】
トウ側が高くなりアイアンらしいシャープな形状に

前モデルの3代目UD+2と比較するとフェースが2.2ミリも高くなった。アイアンらしいシャープな形状になり構えやすさが増した

【ここが変わった2】
構えたときにバックフェースが見えなくなった!

左から、初代、2代目、3代目、ドライブスター。新しいモデルが出るたびに、バックフェースの出っ張りが目立たなくなっていたUD+2。ドライブスターになり、出っ張りは完全に見えなくなった

【ここが変わった3】
ネックはかなり長くなっているね

重心位置を下げるには、ネックは短いほうがいいが、ドライブスターはネックが7ミリ長くなった。「これもアイアンらしい形状にするためでしょう」

【ここが変わった4】
ソールが薄くなりリーディングエッジに丸みがついた

ソール幅は3.7ミリ薄くなった。「トップブレードは直線的になりましたが、リーディングエッジには丸みがつき、抜けがよくなっています」

【ここが変わった5】
グリップはラムキンになり細くなった

グリップはラムキン製を採用。「前モデルよりも細くなっています。これはフェースターンをしやすくして球をつかまえるためだと思います」

ドライバーも打ってみた
「こちらも見た目が大幅に変わってビックリです」

アイアンだけでなく、ドライブスターのドライバーも堀越プロに試打してもらった。「3代目UD+2は非常につかまりがよく、極端に言うとドローしか出ないクラブ。ただ、形状はかなりオフセットが強く、奥行きが長い個性的なモデルでした。ドライブスターはアイアン同様にとても顔がよく構えやすくなり、つかまりが適度になっています。ひとつ気になるのは打音。高い音で弾きのよさを感じますが、ちょっと派手な音なので好みが分かれそうです」

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月18日号より