【ギアラボ】スピンの凄いウェッジほど楽しいクラブはない!『JAWS RAW』の溝はなぜそんなに食いつくのか
キャロウェイのニューウェッジ『JAWS RAW』。「RAW=生」という名のとおりノーメッキフェースを採用した新製品の性能を、ギア探偵が推理する!
写真/野村知也 イラスト/オーグロ慎太郎
キャロウェイ
JAWS RAW
キャロウェイ「JAWS」シリーズウェッジの最新モデル。「RAW」とは「生」の意味で、ノーメッキを意味する。7月22日より順次発売予定
ギア探偵●金田一飛助
テクノロジーの謎を次々解き、本当の性能をあぶりだす“ギア探偵”
名匠の工夫が随所に凝らされた力作
近年、テクノロジーの進化によってゴルフクラブも著しく進化しているが、そんななかでも溝規制以降のウェッジは、テクノロジーの発揮が非常に細部に向かい、ある意味「細かすぎてわかりにくい」ところに来ている感はあった。
そんななか、先日発表されたキャロウェイの新しいウェッジ『JAWS RAW』は、いま改めてノーメッキフェースによるスピン性能の向上という原点回帰的な手法でアピールしてきたかに見える。しかしギア探偵・金田一飛助は、ノーメッキという隠れ蓑の奥に、最新テクノロジーを注ぎ込んだ“溝”の存在があると見る。
「このウェッジのすごいのはキャロウェイ独自の溝。エッジが鋭く底部が狭くなっているこの溝、かなりスピン性能に優れている。これは技術的にすごいのだが、一般アマチュアは溝の構造の話をされても、いまいちピンとこない。だからノーメッキを謳ってスピン性能の印象を強めたのだな」
つまり真のスピン性能は溝の効果で担保しつつ、印象はわかりやすい「ノーメッキ=RAW(生)」でアピールしているというわけだ。しかしさらに詳しく見れば、印象優先でも見かけ倒しでもない実力派だとギア探偵は鋭く観察する。
「ストレートネックのきれいな顔やリーディングエッジの仕上げの丁寧さは、さすが名匠ロジャー・クリーブランドの作。タングステンウェイトで重心位置もフェースセンターに揃っているし、これは力作だ。キャロウェイはこのところウェッジの印象が薄かったが、やはり侮れないな」
【JAWS RAWはここがスゴイ 1】
キャロウェイ独自の溝がとにかく食いつく!
キャロウェイ独自の「37V」溝は、溝の壁面の角度が浅いため溝のエッジを鋭くできる。ボールによく食いつきスピン性能が高い。
【JAWS RAWはここがスゴイ 2】
ノーメッキの“生溝”が効く!
フェース部分はノーメッキ仕上げの「生溝」。さらに20度マイクロフィーチャーという独自のミーリングが施されている。
PGAツアー選手の要望に応えたウェッジ
「JAWS RAW」はPGAツアー選手の意見を取り入れた設計。リーディングエッジ(刃)をストレートにしたほか、トッププロに多いゆるやかな入射角で扱いやすい新ソール「Zグラインド」も採用。タングステンを用いたセンター重心化も、フェースを開いて使うために有効な機能だ
【JAWS RAWはここがスゴイ 3】
PGAでも人気のストレートな“日本顔”
前モデルと比べてリーディングエッジが直線的になっているのも大きな特徴。これは現在のPGAプレーヤーの多くが好む顔だが、従来の国産モデルに多かったいわゆる「日本顔」でもあるので、日本のゴルファーにもなじみやすく構えやすい顔に仕上がっている。
【JAWS RAWはここがスゴイ 4】
タングステンウェイトで重心がセンターに揃う
バックフェースに4つのウェイトポートがあり、54、56度はトウ側の1つ、58、60度はトウ側の2つにウェイトを内蔵して重心をフェースセンターに揃え、フェースを開いた際のヘッドのブレを防ぐ。
【JAWS RAWはここがスゴイ 5】
抜群の“抜け”を生むリーディングエッジの削り
リーディングエッジ下側を削って“面取り”することでヘッドが鋭角に入っても刺さりにくく、トレーリングエッジ(後方)に向けてなだらかなバウンスを形成。どんなライからでもスムーズに抜けて思い通りのアプローチができる。
月刊ゴルフダイジェスト2022年9月号より