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頑固おやじのクラブ工房Vol.16 太グリップのパター、月イチゴルファーには合わない!?

バターのグリップといえば、太いものが今や主流。しかし、オヤジさん、どうやら、この風潮に懐疑的な様子……通勤GD「頑固おやじのクラブ工房」 Vol.16

Q、ショートパットにあうグリップの太さは?

ショートバットで引っかかるミスが増えたので、太グリップの「スーパーストローク」に交換したんですが、ノーカンな感じになって、余計にミスが増えました。どうすればいいですか? (37歳・HC13 ・会社員)

A、フェース面を意識しづらい

「オヤジさん、パターが引っかかったら、グリップを太くするのはアリですよね。それで『スーパーストローク』に換えてみたんですが、なんだかノーカンぽくなって、ダメなんですけど」

この常連さん、最近、ショップで重めのパターを試打したら、いい感じだったんで購人。最初は良かったけど、ショートパットを左に引っぱるようになったんで、グリップを自分で換えたんだと。

「重いパターはよく転がるから、最初は丁寧に打つよな。で、慣れてくると以前のようにポンと打ちたくなる。すると、引っかけやすくなるんだな、ちょっとフェースが返って」

「そうなんですよ、それでグリップを太くすればいいかと……」

「フェースの向き、わからなくなったんじゃねえの? 」

「そうなんです! ショートパットが左右にブレる感じで、全然ダメなんです」

速いグリーンでも、ショートパットはラインを決めてしっかり打つのが正解。フェース面を感じ
られなくなったらオシマイだな。

「太くてソフトなグリップってのは、強く握り込まないようにするメリットはあるけど、フェースの向きに鈍感になる面もある」

「高速グリーンでタッチに敏感になりすぎたプロとかにはメリットかもしれないけど、一般アマがプレーするグリーンでは、もっとフェース面を感じて、しっかり打てるようにすることを優先したほうがいいと思うんだけどね」

距離感がおかしくなったら、
軽いヘッドに細めグリップ

重いグリーンでは軽いヘッドのパターでしっかり打つほうがいい、て言ったことあるけど、ショートパットでも悩んだら、まずは軽いヘッドを試すといい。

「重いモノをゆっくり動かして、そっと打ってラインに乗せる、なんてのは、人間の感性に合わない
と思うんだよ、オイラは。なんか、ごついナタでヒゲでも剃るみたいでさ。本当にイップスとかでなけりゃ、カミソリみたいに手軽に扱える感性がないといけない」

「確かに前に使っていたピン型は、そんなに重くなかったんですけど。もっと軽めがいいんですか?」

「右手だけで振って、ポーンと球を打って、思った方向と距離に打てたら、重すぎない。そのくらいアバウトでいいけどね」

大切なのは、フェース面というか、方向性を感じ取れるグリップを選ぶこと。

「お前さん、カナヅチのグリップが太くてソフトだったら打ちにくいだろ? タイガー・ウッズとか、全英女子で勝った渋野日向子とか、グリップは太くないよな? そういうことさ」

重くヘッドが出すぎるのを、太いグリップで抑える。こんな、ブレーキをかけながら打つようなこ
とを続けていると、調子が悪くなって当然だろう。

「弱く打ったらショート、強く打ったらオーバー。こんな風に“当たり前”に打てないと、アマの練習量で距離感なんか作れないよ。最近は、シャフトを軽くしてヘッドとグリップを重くする設計のパターとかあるけど、どうかな。カナヅチでクギを打つことを考えると、どんなバランスでもヘッドが重すぎるのは、加減しづらいと思うけどね」

軽いパターは軌道がブレやすくなるとかいうけど、そこは打ち方の問題。そこの部分を道具の重さやスペックで補おうとすると、打ち方も道具も対処療法のツギハギだらけになって、重症になっちゃうと思う。パットに悩んだら、まずは軽いヘッドと細いグリップで感性をチェックすることだね。

月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)