【ヘッドデータは嘘つかない】つかまった強い球で飛ばせる! 本間ゴルフ「TW757 D」ドライバー
多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回は本間ゴルフの『TW757 D』ドライバーを取り上げる。
世界初のカーボンスロット搭載
各メーカーで採用されているソールの溝。その溝部分の肉厚を可能な限り薄くすることで反発力がアップ。そしてその溝をカーボンで補強することで強度を確保したのが本間ゴルフ『TW757 ドライバー シリーズ』で、今回紹介するのはそのドローバイアスモデル『TW757 D』だ。
では、早速クラブとヘッドを計測していく。数値はすべて実測した値になる。クラブの長さが45.38インチとやや長めの設計で、クラブ重量は305.3gと標準的。またスウィングウェイトもD1.7とこちらも標準的なので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが291万g・㎠とやや大きくなり、ドライバーのヘッドスピードが45m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計といえるだろう。
ヘッドを見ていこう。横幅が広めのやや三角形型で、表にはないが、フェースプログレッション(FP値)が19.1ミリとやや大きめ、そしてライ角は56.5度とフラットで、フェース角も0.0度とスクエアなので、ドローバイアスといえど、見た目ではそれほどつかまるイメージは感じられず、どちらかといえば、球が上がりやすそうな印象を受ける。
Point1 クラブ長さは45.38インチとやや長い
Point2 クラブ全体慣性モーメントが291万g・㎠とやや大きい
Point3 ライ角は56.5度とフラット
ドローバイアスだがつかまりすぎない
実際に試打したところ、フラットなライ角、スクエアフェースなので、ターゲットに対して構えやすい。そして、アドレスでは兄弟モデルの『S』よりも投影面積が大きく見えるので、安心して構えられるだろう。試打クラブは10.5度でシャフトはメーカー純正の『VIZARD for TW757(フレックスS)』仕様。シャフトは軟らかめの設計だが、スムーズなシナリ感があるので、ヘッドスピードが42m/sくらいのゴルファーがちょうどいいだろう。
重心深度は37.6ミリと浅く、そのため左右方向のヘッド慣性モーメントが4583g・㎠とやや小さくなり、最近流行りの大慣性モーメントでやさしさを狙ったヘッドではない。また前述のとおり、構えたときにはつかまるイメージはあまりなく、フェースの中央よりもトウ側にスイートスポットが位置していて、ドロー系よりもフェード系が打ちやすく、FP値も大きいことから高い弾道になりやすいだろう。打音は軽やかで、弾き感のある響いた音が好きなゴルファーにオススメだ。
ネック軸周りの慣性モーメントは7003g・㎠と標準的なので、オートマチックというよりはややマニュアルっぽさが残り、球を操作したいゴルファーでもある程度は満足できるだろう。なお、純正グリップが少し硬いため、手袋をしないゴルファーにとっては、痛いかもしれないので注意。
【クラブ&ヘッドデータ実測値】
本間ゴルフ
TW757 D ドライバー
松尾好員
まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰
週刊ゴルフダイジェスト2022年6月28日号より