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【ヘッドデータは嘘つかない】大きめヘッドで構えやすく、飛距離も出る! プロギア「03」アイアン

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はプロギアの『03』アイアンを取り上げる。

アドレスしやすい飛び系アイアン

高強度薄肉フェース&センター重心で高い反発性能を実現したプロギア『03アイアン』を紹介していく。フェース素材にはニッケルクロムモリブデン鋼を採用し、バックフェースに溝を入れることで反発性能を向上させた。

さっそく7番アイアンのクラブやヘッドの試打・計測をしていこう。数値はすべて実測値になる。メーカー純正の『ディアマナ FOR PRGR』仕様で、クラブ重量は377.0gと軽量スチールに比べれば軽いが、カーボンにしてはやや重めになっている。クラブ長さが38.13インチと5番アイアン並みに長いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体慣性モーメントが268万g・㎠とやや大きくなっている。この数値だとドライバーのヘッドスピードが44㎧くらいのゴルファーがタイミングよく振りやすい設計といえるだろう。

プロギアらしいオーソドックスなヘッド形状だが、長く高い大きなフェース面が特徴で、フェースの長さに比べてややスコアラインが短いのも特徴だ。7番アイアンで26.2度の超ストロングロフト設計で、アドレス時に見えるフェース面はまさに5番アイアンのイメージ。ソール幅も広く、少しユーティリティアイアン的な雰囲気を醸し出している。また、フェース面のトウ側だけでなく、ヒール側も高いので、アドレスでアップライトに見え過ぎず、よりスクエア感が出ている。

Point1 クラブ長さは38.13インチと非常に長い
Point2 クラブ重量は377.0gとやや軽い
Point3 スウィングウェイトはD0.3とやや小さい

弾き感がよくインパクト音が高い

実際に試打したところ、まず長く大きなヘッドだが、オーソドックスな形状とグースネック過ぎないネックで打ちやすそうなイメージが出ている。

試打クラブのシャフトは、メーカー純正カーボン(フレックスS)。スチールシャフト仕様よりはクラブが軽くて振りやすく、また、硬過ぎない適度な軟らかさもある。そして、軽いカーボンシャフトと長いクラブ長さの影響で、ヘッドスピードは上がりやすく、ロフト角による球の上がりにくさを少しカバーしている。

ロフト角が26.2度の超ストロングロフトでフェアウェイからの弾道はやや低くなり、また、フェース面の素材が硬いので打感も硬くインパクト音も高いが、球の弾き感は良好。ソール幅は広く、バウンス角2.6度と少なめなので、ターフをほとんど取らないスイープなスウィングのゴルファーだとソールの抜け感はいいだろう。シニアゴルファーにも試打してもらったが、長さもロフトも5番アイアンなので、フェアウェイのあるがままの状態からは概してミートしにくく、球も上がりにくい感じで、むしろある程度ヘッドスピードが速いゴルファーのほうがさらなる飛びを感じられるだろう。

左から21度(5I)、26度(7I)、34.5度(9I)。飛び系にしてはグースの度合いが弱く、オーソドックスで構えやすい形状

【クラブ&ヘッドデータ実測値】

プロギア

03 アイアン

松尾好員

まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

週刊ゴルフダイジェスト2022年6月21日号より