【アプローチウェッジ研究】転がし派か、上げる派か。52度のウェッジはソールの"形"に注目! タイプ別おすすめアプローチウェッジ
「アプローチウェッジの性能は、30㍎からのアプローチと90㍎のコントロールショットで分かります」と言う香西プロ。52度のウェッジ10本を試打し、どんな特徴があるのか比べてもらった。
【解説】香西成都プロ
元ナイキスタッフプレーヤー。ゴルフパートナーでのスタッフ経験もありクラブへの造詣も深い。
自分の苦手な部分は、クラブでカバーできる
香西プロ ショートゲームの得意不得意は誰にでもあり、プロならそれを練習で補えますが、アマチュアはそこまで練習に時間を割けません。そこでクラブに助けてもらうんです。
香西プロ アプローチでミスが出るならアプローチウェッジを見直してみましょう。ボールとコンタクトするフェース、地面と接するソールはモデルによって異なり、その違いが助けてくれるシチュエーションを決めます。
ソール幅が一定だと足が使いやすい
「テーラーメイド ミルドグラインド2」のようにソール幅がほぼ一定だと、芝の抵抗が均一なのでヘッド挙動が安定します。ラフでは鋭角にボールを打ち込めるので、ランニングアプローチのミスが減ります。
香西プロ ピン「グライド3.0」のようにソールのトウ寄りが広いと芝の抵抗でフェースが開きやすくボールを上げやすいので無理にピッチ&ランで狙わないほうがいい。テーラーメイドの「ミルドグラインド2」のようにソール幅がほぼ一定だと、フェースを開かずスクェアに構えたランニングアプローチが打ちやすいんです。
ヒールの”ヒレ”が、どんなライでもプラスに働く
「ドルフィンウェッジ」のようにヒール寄りのソールが厚いと、地面での抵抗からヘッドが意図せず返り、フェースが被ると思っていましたが、しっかりとピッチ&ランが打てる。独特な形状ですが、ラフから多彩な技が繰り出せそう。
トウ側が幅広のソールは開くと抜け感がアップ
「ピン グライド3.0」のようにトウ側の幅が広いとフェアウェイからは、高慣性モーメントのおかげで直進性が増しますが、ラフからは芝の抵抗でフェースが開きやすくなる。転がすよりロブショットをイメージするといいでしょう。
ラフからの30㍎と
90㍎のコントロールショット
注目10モデルを試打調査!
計測にはトラックマンを使用。90㍎のコントロールショットはライを一定にするため人工芝の上から。30㍎はラフから試打。ボールはテーラーメイドのTP5xを使用。5球の平均値を数値化した。
ミルドグラインド2(テーラーメイド)
ノンメッキフェースでスピン量アップ
ラフからの30㍎
とても転がしやすい
90㍎のコントロールショット
打ち出し角:29.7度
スピン量:超多(9169rpm)
「ラフからでも出球がイメージ通り。ショットのスピン量もいい」(香西プロ・以下同)
T20(ミズノ)
ラフからの30㍎
とても転がしやすい
90㍎のコントロールショット
打ち出し角:29.8度
スピン量:超多(9142.3rpm)
「ヘッドが小ぶりで操作性がよく、ラフでも抵抗が少なく抜けがいい」
DJ-4(フォーティーン)
ラフからの30㍎
転がしやすい
90㍎のコントロールショット
打ち出し角:30.7度
スピン量:多(8834.5rpm)
「とにかく打感が柔らかく、つかまる。出球がイメージより高い」
ジョーズ(キャロウェイ)
ラフからの30㍎
やや転がしやすい
90㍎のコントロールショット
打ち出し角:30.5度
スピン量:多(8939rpm)
「操作性が高くローテーションしやすく、思い描いた球が打てる」
ドルフィンウェッジ(キャスコ)
ラフからの30㍎
転がしやすさ:標準
あげやすさ:標準
90㍎のコントロールショット
打ち出し角:30.5度
スピン量:超多(9100.7rpm)
「ラフでの性能は想像以上。形状が気にならなければやさしいクラブ」
ボーケイSM8 Fグラインド(タイトリスト)
ラフからの30㍎
転がしやすさ:標準
上げやすさ:標準
90㍎のコントロールショット
打ち出し角:27.7度
スピン量:超多(9196.3rpm)
「どんなライからでもイメージと出球が一致する王道ウェッジ」
オノフ フォージド(グローブライド)
ラフからの30㍎
やや上げやすい
90㍎のコントロールショット
打ち出し角:30.2度
スピン量:多(8959.3rpm)
「大きく見える顔つき。ストレートネックなので構えやすい」
RTX4(クリーブランド)
ラフからの30㍎
上げやすい
90㍎のコントロールショット
打ち出し角:28.4度
スピン量:超多(9057.7rpm)
「ショットで5球とも打ち出し角が揃った安定性の高さが魅力」
CFX(クリーブランド)
ラフからの30㍎
上げやすい
90㍎のコントロールショット
打ち出し角:29度
スピン量:多(8581rpm)
「ショットでは前に行く勢いが強い。ラフからは開いて使いたい」
グライド3.0 SS(ピン)
ラフからの30㍎
とても上げやすい
90㍎のコントロールショット
打ち出し角:29.2度
スピン量:超多(9063.3rpm)
「開きたくなるソール形状で、その通りに打てばボールがラクに上がる」
ぜひ、上記の試打結果を、新しい相棒選びの参考にしていただきたい。きっと自分にぴったりの1本が見つかるはずだ。
週刊GD2020年3月31日号より