【プロスペック】「ボールとの相性が抜群にいい」グランドスラムに挑むジョーダン・スピースの14本
プロの14本のクラブセッティングと、それらのクラブを選んだプロのこだわりを紹介する連載「プロスペック」。今回は、全米プロでグランドスラム達成を目指すジョーダン・スピースのセッティングに注目。
PHOTO/KJR、Blue Sky Photos
4月のRBCヘリテージでツアー13勝目を挙げたJ・スピース。タイトリスト「TSi」シリーズが2年前に登場すると同時にドライバーを「TS3」から「TSi3」にスイッチ、そこから愛用中。シャフトは「ベンタス ブルー」の6X。昨年4月のバレロテキサスオープンで4年ぶりの復活優勝を遂げた際も、このドライバーだった。
「打感、打音、構えた感じ、そして、打点ブレへの許容性も、今までで一番いい。『プロV1x』との相性が抜群で、ボール初速がとにかく上がった。ティーショットの弾道はやや高めで風の中を切り裂くように飛んでくれる」とはスピースの弁。
アイアンは「T100」で、4番からバッグに入れている。T100についてツアー担当のJ・J・ヴァンヴェゼンヴィーク氏は、「ダラスでこのT100アイアンを初めて見せた時、ジョーダンはすぐに構えた時の見た目、打感、インパクトの抜け感、弾道の安定感が気に入ったと言いました。昨年の全英オープンの直前でしたが、彼がこのアイアンでいくと言ったのに驚いたことを覚えています。ボール初速の安定感とT100のルックスに満足しているようです」
スピース本人も、「少しマット調(サテン)の仕上げになって、そこも気に入っています。見た目はシンプルなブレードですが、打ってみるとキャビティバックのようなやさしさがある。だから、狙った球筋をとても打ちやすい。この性能はトーナメントの舞台ではとても大事な要素ですから」と語る。
今季スタッツは、ドライバーの平均飛距離が306.2ヤード(38位)、パーオン率が69.61%(25位)。かつてのスピースはショットが荒れながらもロングパットをねじ込んで勝利するというスタイルだった。パットが本調子ではないなかでも復調してきたのは、クラブとの好相性による部分も大きいはず。来週の全米プロに注目だ。
コースに応じて、21度のUT「818H2」とアイアン型の「U505」(左写真)を使い分ける
「ウェッジは距離のコントロールが生命線だから、低く抑えた弾道が打てることが大切。『SM9』はコントロールショットの面で、風の中でも、打ち上げでも打ち下ろしでも、一貫してイメージ通りのローボールを描いてくれる」(スピース)。高く上げる役目のLWのみ『2021プロト』を使用
スピースのエースパター、アンサー形状の「009ツアープロト」と、太く逆テーパー気味のスーパーストロークグリップの組み合わせ。クロスハンドに握ってストローク
J・スピースの14本セッティング
週刊ゴルフダイジェスト2022年5月24日号より