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【グリップ研究】手元が重くなると振り感や弾道はどう変わる? 話題の「ツアーロック」を試してみた!

カウンターバランスというとシャフトの手元側に鉛を貼るというのが一般的だが、グリップエンドに重りを取りつけ、しかもそれを自由に付け替えられるという画期的な商品が、ツアープロを中心に注目を集めている。果たしてどんな効果があるのか、試してみた。

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【試打・解説】合田洋プロ
94年日本プロの覇者。現在アマチュアを中心にレッスンを展開中。豊富な試打経験からクラブの性能を的確に分析する。

ツアーで大人気
シード選手が続々導入

一昔前のドライバーは300㌘オーバーが普通だったが最近では280㌘台まで軽量化が進んでいる。この軽量時代にわざわざウェートを付けて重くするアイテムが、いまツアープロの間で話題になっている。

カウンターバランスという言葉をご存じだろうか。それを取り入れた「ツアーロック ゴルフ」に注目が集まっているのだ。

カウンターバランスとは?
手元にウェートを装着することによってヘッドが軽く感じられるようになり、振りやすさがアップする。これがカウンターバランスの理論。

PGAツアーでは17年のマスターズ覇者セルヒオ・ガルシアを筆頭に約30名のプロが導入。国内ツアーでもプロコーチからの勧めで続々プロがフィッティング中。今季からは既に複数のプロが装着する予定だという。

上田桃子(左)、小祝さくら(右)は導入を決定

今季からツアープロの多くが取り入れた新ウェートシステム
「ツアーロック ゴルフ」
実勢価格2200円~4700円
グリップエンドにウェートを装着し、カウンターバランスの恩恵を受けることができる最新のウェートシステム。

ココがスゴイ!①
8㌘~100㌘のウェートがあり、全部で26種類とバリエーションが豊富。

ココがスゴイ!②
グリップの中の好きな場所にウェートを装着可能。グリップに穴を開けたくなければ、グリップを装着する前に入れるタイプもある。

【装着方法】
グリップエンドに穴を開け、ウェートを埋め込む
装着は簡単。グリップエンドにドリルを使って専用のウェートを入れる穴を開ける。そこに選んだウェートをレンチで締めて固定。重さの違うウェートに交換するのも容易。

ドリルで穴を開け

ウェートを固定するだけ

そこで、あらゆる分野の試打で定評のある合田洋プロに試してもらった。

合田 カウンターバランスは私か知る限り、過去にブームが2回あって、今回が3度目ですね。

つまり、決して新しいものではないカウンターバランスが、なぜ突如として再登場したのだろうか。

合田 これまでのカウンターバランスはウェートが7㌘程度でした。むしろ7㌘以上のウェートを入れるなんて重くなりすぎるからありえないという感覚でした。今回の「ツアーロック」は標準が16㌘で、8㌘から100㌘まであるというのがすごく気になりますね。

20㌘のウェートが付けられたクラブの感触を確かめる

装着のための専用フィッティングは現在全国15店舗で受けることができ、その場でウェートを1つずつ購入できる。

また値段はウェートの種類によって変わるが、ウェートの価格に加えてフィッティング料金が必要になる。装着が簡単なのでその日に持ち帰ることも可能だ。

合田 見た目はほとんど変わらないのに打ってみるとシャフトが別物になったように感じる。ここまでクラブの特性が変わると期待できるね。

では早速、試打結果を見ていこう。

打点が安定しない人にも効果あり
ヘッドスピードが上がり、アプローチも劇的に良くなった

合田プロによる試打風景

合田プロにはドライバー、7番アイアン、58度のウェッジを試打してもらった。

一般にカウンターバランスを使うとヘッドスピードが上がり、飛距離が伸びると言われているが、それよりも注目したのはアプローチのしやすさ。

16㌘を装着してウェッジを振って、合田プロは目を丸くした。

合田 おお、すごい。手で持ったときは重く感じたのに、振ると全然軽くて振りやすい。重心が手元寄りにきて操作しやすいから、これなら間違いなくアプローチのトップ、ダフりはなくなりますよ

またドライバーやロングアイアンは、スウィング軌道が安定してボールが上がりやすくなり、苦手なクラブも打ちやすくなるという。

【試打結果】

ドライバー試打の感想
「シャフトが短く感じてミート率も上がる」
ドライバーのグリップエンドに16㌘を入れたら、シャフトが別物になったようです。むちゃくちゃ振りやすくなり、シャフトの先が走って勝手にドローボールが出ます。試打結果の数字は、16㌘のものですが、試しにグリップエンドと中ほどに12㌘ずつ入れると、振った瞬間、クラブが短くなったように感じて操作性がよくなり、ミート率もアップしました

7番アイアン試打の感想
「苦手なロングアイアンが打てるようになる」
こちらも16㌘を入れて試打。たった16㌘をグリップエンドに入れるだけで手元が重くなってスウィング軌道が安定し、ボールへのコンタクトがしやすくなる。同時に振りやすくもなり、ヘッドスピードもアップするから、高い弾道の芯を食ったボールが打てる。ロングアイアンが苦手な人もミドルアイアンを打っているような感じでラクに打てるはず。

ウェッジ試打の感想
「手元の安定感が増し、ダフリ・トップが激減する」

ドライバー、7番アイアンと同じく16㌘を入れて試打。手元が安定し、手の通る軌道が一定になって、クラブの上下動が起きにくいので、アプローチでのダフリ・トップは間違いなく激減する。クラブは軽いとトップし、重いとダフリやすくなるが、これはその中間。しかも総重量は重いのでアプローチのリズムも安定する。ハーフショットなど中間距離のアプローチが苦手な人にもおススメ

最後に合田プロは、こう締めくくった。

合田 従来のカウンターバランスは飛距離アップが主目的でしたが、これは重量があるので手元の安定感が増し、スウィング軌道を安定させる効果がある。さらに中に入れるウェートの位置も変えられるので、それぞれに最適なフィッティングができそうですね。

ツアーロックはこんな人におすすめ

◎クラブヘッドが重く感じる
◎飛距離が出なくなった
◎ロングアイアンが苦手。球が上がらない
◎アプローチのトップ、ダフリが多い

週刊ゴルフダイジェスト2020年4月28日号より