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「AVX」に「ダイヤモンド」…ツアー系ボール“第3の選択肢”はどんな人にオススメ? 5ブランド15モデルを徹底比較

タイトリスト「プロV1」「プロV1x」に代表されるように、ウレタンカバーのツアーボールは、どのブランドも2種類をラインナップ。ところが近年、ツアー系ボールに新たなカテゴリーとでもいうべき第三の選択肢が各ブランドから登場。いったいどんなボールで、どういう人に向いているのか。各社の“2トップ”と打ち比べ、その特徴を調べてみた!

PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/技術研究所(アコーディア・ゴルフ)

試打&解説/小島慶太

トラックマンマスターやTPIレベル3など、日本初の資格を持つゴルフデータアナリストの第一人者。千葉県を拠点にトラックマン4やGCクワッドを活用したコーチングを展開

ゴルファーの要望から
第3の選択肢が誕生

「たとえばタイトリスト『プロV1』は打感がより軟らかく中高弾道で、『プロV1x』はよりスピン性能が高く高弾道という、それぞれの特徴があり、どのレベルのゴルファーでもスコアに直結するボール初速、スピン量、高さが引き出せるツアーボールの王道です。しかし、クラブの進化やゴルファーの感性が多様化したことで、この2種類だけでは満足できないプレーヤーが生まれてきました。その結果、『プロV1』よりも軟らかく、低スピン性能の『AVX』が生まれたのです。ゴルファーの多様化は進んでいるので、ツアーボールのラインナップは今後も増えるかもしれません」と小島プロ。

それでは数多くあるボールのなかから、自分に合うボールをどう選べばいいのか。

「ゴルフはボールをカップに何打で入れられるかを競うスポーツです。平均スコア90のゴルファーであればグリーン上が36回前後、ドライバーで14回+αを打つと仮定するとグリーンに向かって打つのは40回ほど。この40回のショットが正確であればあるほど、パッティング回数が減りスコアが縮まります。つまり、アイアンショットで狙ったところに止められるボールがいちばん自分に合ったボールといえるでしょう。毎回違うボールでラウンドすると自分のショットの基準が作れません。自分に合ったボールを見つけて、使い続けることがスコアアップにつながります」

【ボール選びのポイント1】
7番アイアンで止められるか

「止める要素は大きく分けて最高到達点からどういう角度で地面に落下するかを表す『降下角』と『スピン量』の2つ。7番アイアンのロフト角にもよりますが、降下角は少なくとも40度以上必要で、それ以下だとランが出過ぎてしまい、狙ったところに止められません。スピン量も概ね5000rpm以上は欲しいですね。この2点をクリアしないと自分に合ったボールとはいえません」(小島・以下同)

【ボール選びのポイント2】
ウェッジとパターで打感を確認

「軟らかい打感が好きな人もいれば、弾く感じが好きな人もいますので、打感の好みは人それぞれで、良し悪しはありません。とはいえ、アプローチやパッティングといったショートゲームで重要な距離感を作るのは『打感』です。コアが潰れるショットの『打感』とは異なりますので、ショートゲームで必ず試してほしい。優先すべき打感はショートゲームです」

【ボール選びのポイント3】
ドライバーは初速、スピン量、打ち出し角をチェック

「ゴルフはボールを狙ったところに止める競技なので、飛距離でボールを選ぶことはオススメしません。とはいえ、飛距離を楽しみにしている人が多いのも事実。そういった方は、ボール初速、スピン量、打ち出し角、降下角を確認してください。HS40㎧くらいでしたら、ボール初速は60㎧、スピンは2000rpm前後、打ち出し角は14~16度、降下角は34~36度が目安です」

各メーカーがツアー系+1をラインナップ

第3の選択肢
タイトリストプロV1プロV1xAVX
スリクソンZスターZスター XVZスター ダイヤモンド
キャロウェイクロムソフトXクロムソフトX LSクロムソフト
テーラーメイドTP5TP5Xツアーレスポンス
ブリヂストンツアーB XツアーB XSツアーB JGR※
「JGR」のみ非ウレタンカバー

タイトリスト

AVXは“よりソフト”で低スピン&中弾道

【計測方法】
小島プロがドライバーのHS47m/s前後で試打。アプローチは30Yのピッチショットで打感を確認。データは弾道計測器「トラックマン4」「GCクワッド」で測定した5球の平均値

まずは、タイトリストのツアー系ボール3タイプ(プロV1、プロV1x、AVX)を試打。

「どのボールも、アイアンで止めるために必要十分なスピン量と球の高さがあります。それでいてドライバーで低スピンになるのは、コアの作りの上手さを感じます。3モデルの大きな違いは打感の軟らかさと弾道の高さ。これは好みの部分といってもいいかもしれません」(小島プロ)

プロV1
「モチッとした打感でスピン性能も高い」

ドライバー、アイアン、ウェッジのどの分野でも打感の軟らかさ、弾道の高さは3タイプのなかで中間に位置する。「昔ながらの打感が好みなら『プロV1』がオススメです」

●コア/ポリブタジエンコア ●ケース層/アイオノメリック ●カバー/ウレタン・エラストマー・カバー ●ディンプル数/388 ●価格(1ダース)/オープン(実勢/6930円)

プロV1x
「高さが出るのでしっかり止められる」

「プロV1x」は弾道の高さが「プロV1」よりも高く、スピン性能も高い。「アイアンで重視する降下角がもっとも大きいのが『プロV1x』。高弾道でスピンも利くので、確実に止められます」

●コア/ポリブタジエンコア ●ケース層/アイオノメリック ●カバー/ウレタン・エラストマー・カバー ●ディンプル数/348 ●価格(1ダース)/オープン(実勢/6930円)

AVX
「軟らかい打感。低スピンでちょっと飛ぶ」

「非常にソフトで、『プロV1』よりもさらに軟らかい打感が好みならこのボール。必要十分なスピン量はありますが、ほかの2つより低スピン傾向なので飛距離が欲しい人ならこのボールです」

●コア/ハイスピード・低コンプレッションコア ●ケース層/ハイフレックスキャスティングレイヤー ●カバー/ウレタン・エラストマー・カバー ●ディンプル数/352 ●価格(1ダース)/オープン(実勢/6930円)

※実勢価格は編集部調べ

【ドライバーの弾道データ】

キャリー総飛距離ボール初速打ち出し角スピン量降下角高さ
プロV1256.5Y285.0Y68.5㎧12.7度2026rpm33.6度28.3Y
プロV1x255.7Y281.3Y68.4㎧12.4度2320rpm35.2度29.3Y
AVX252.9Y282.5Y67.9㎧12.8度1954rpm32.8度27.3Y
「プロV1」と「プロV1x」の初速は「AVX」より少し速くなっている。しかし、「AVX」は低スピン性能が高いため、ランを含めた総飛距離で他のボールとは差がない結果に。高弾道が好みの人は「プロV1x」、やや低めの弾道が好みなら「AVX」を選ぶといいだろう

【7番アイアンの弾道データ】

キャリー総飛距離ボール初速打ち出し角スピン量降下角高さ
プロV1166.4Y174.0Y52.5㎧18.3度5676rpm47.9度31.9Y
プロV1x163.9Y171.1Y52.2㎧19.0度5852rpm48.8度32.7Y
AVX167.5Y176.0Y52.2㎧18.8度5229rpm47.4度31.8Y
アイアンで重視する降下角はどれも同じくらいだが、「プロV1x」がやや大きい。これは「ほかの2種に比べ打ち出し角が高く、スピン量も多いので球に高さが出るから」と小島プロ

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週刊ゴルフダイジェスト2022年2月15日号より