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【T400 アイアン タイトリスト】中空構造と薄肉フェースで慣性モーメントを最大化

数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と試打のスペシャリスト・堀越良和プロが最新クラブを打って測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回はタイトリストの「T400 アイアン」です。

UTのように
やさしく球が上がる

ラージサイズのヘッドにストロングロフトという、いわゆる“飛び系アイアン”になりますが、ソールの座りがよく、構えたときの安定感があります。また、ターゲットに対しても方向が取りやすいですね。(堀越)

スプリット・ソールデザインで接地面を少なくした。ネックは外ブラには珍しいグースネック形状

5I、7I、9Iの3本を試打しましたが、飛距離に特化したモデルだけに、通常ロフトのアイアンに比べると、1.5~2番手は確実に飛びます。特徴的な形状で厚みのあるソールは、地面に突っかからずに、気持ちよくスパッと抜けてくれます。

5Ⅰ~7Ⅰのウェートにタングステンを使用し重心位置を最適化

UTのようにやさしく球が上がってくれるので、低スピンでも高さでグリーンにボールを止められるでしょう。装着の『Tensei Blue50』シャフトも、やや先が走る中調子系で、高弾道が打ちやすいです。

素直なしなり戻りでいい意味で仕事をしない

オフセンターヒットにも強いので、打点が安定しない人でも、左右の大きなミスが出にくく、飛距離もしっかり出ます。間違いなく、タイトリスト史上で、もっともやさしくて、飛ばせるアイアンといえるでしょう。

タイトリストのアイアンは難しそうだからと敬遠していた人や、HSが落ちてきたシニアなど、幅広い人におすすめです。(堀越)

まるで国産モデルのような顔

重心位置が高く安定したスピン量を得やすい

7I(Titleist Tensei Blue 50・S装着)を計測したところ、クラブ長さは標準ですが、クラブ重さが非常に軽いので、クラブ慣性モーメントがやや小さくなります。

ヘッドはシャローフェースでソール幅が広く、トップラインが丸いので球を包み込むイメージが出ています。シャフトはHS30m/s台後半のゴルファーでも振りやすいはず。

26度というロフト角と弾きのいいフェースで、一般の7Iより飛びます。重心距離が長くネック軸回りの慣性モーメントが大きいので、ヘッドの返りはゆるやかです。(松尾)

激飛び系で
左に行かないクラブが欲しい人

球が左につかまり過ぎることがなくフェード系弾道が打ちやすいです。ストロングロフトなので、フェアウェイからは球が上がりにくいので、シニアゴルファーは8Iからのセッティングをオススメします。(松尾)

【総合評価】 飛距離性能 5/つかまり 3.5/上がりやすさ 3.5/ミス許容 4/操作性 3 ※5点満点

ヘッド/17-4ステンレス(#5~P)、
    SUP-10(フェース#5~#7)、
    タングステン・ニッケル(#5~#7)
ロフト角/26度(7I)
ライ角/63度(7I)
長さ/37㌅(7I)
シャフト/NSプロ 950GH neo(S)
     NSプロ ゼロス7(S)
     Titleist Tensei Blue 50
     Titleist Tensei Blue 40
価格(税別)/13万円(#6~PW・5本セット)
       2万6000円(#5・単品)
※メーカー公表値

解説:クラブ設計家 松尾好員
解説:プロゴルファー堀越良和

週刊ゴルフダイジェスト2020年6月16日号より