数多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員と試打のスペシャリスト・堀越良和プロが最新クラブを打って測って研究する「ヘッドデータはウソつかない」。今回は本間ゴルフの「ツアーワールド TR20-P アイアン」です。

シングルの腕前の
シニアゴルファーに

ポケットキャビティ形状ですが、ミッドサイズよりもやや小ぶりで、ネックもほぼストレートに近い。シャープでやや逃げ顔な、伝統的な“ホンマ顔＂は、上級者好みで構えやすいです。（堀越）

一般的なアスリートモデルに比べると、1番手ほどストロングロフトの設計になっていますが、とてもボールが上がりやすく、見た目ほどの手強さは感じません。

5Iは上がりやすくて、オフセンターにも強く、7I、9Iとロフトが大きくなるにしたがって、つかまりすぎが抑えられています。それぞれの番手の用途に合わせた、最適な設計が施されている点で、とても優れたアイアンといえますね。

ミスヒットに対する適度な許容性がありつつ、フェードやドロー、弾道の高低の打ち分けがしやすく、操作性の高さもあります。中上級者がアイアンに求める機能を、絶妙な味つけで実現させていますね。

シングルクラスのシニアゴルファーで、まだまだバリバリ競技ゴルフを楽しみたいというアスリート派にピッタリ。ヘッドスピードが速めの人は、軽量スチールシャフト装着のモデルを選んでもいいでしょう。（堀越）

インテンショナルに球を打てる

計測した7Iは、クラブ長さは標準ですが、クラブ重さがやや軽く、スウィングウェートも小さめなので、クラブ慣性モーメントが抑えられています。

フェースが短めのプロモデルヘッドで、スコアラインも短いためアドレスで引き締まった感があります。またストレートネックでスクェアに構えやすいのも特徴です。

プロモデルとして適度な操作性があり扱いやすく、インテンショナルにドロー、フェードが打ちやすくなっています。フェース面が硬いのでインパクト音が高いですが、球の弾きはいいです。（松尾）

小ぶりなヘッドで弾き系の
打感が好きなゴルファーに

オーソドックスで構えやすいヘッドなので、中上級者はもちろん、アベレージでこれからアイアンのスウィングをしっかり作っていきたいと考えているゴルファーにも最適なセットだと思います。（松尾）

【総合評価】 飛距離性能 4／つかまり 4.5／上がりやすさ 4／ミス許容 4／操作性 4.5　※5点満点

ヘッド／S35C＆タングステン（ボディ）、
MS300（フェース）
ロフト角／30度（7Ⅰ）
ライ角／62.5度（7Ⅰ）
長さ／37㌅（7Ⅰ）
シャフト／VIZARD TR20-65（S、R）、
VIZARD IB-WF 100（X、S）、
VIZARD IB-WF 85（X、S、SR）、
NSプロ モーダス3 FOR T//WORLD（S、R）、
NSプロ 950GH neo（S、R）
価格（税別）／14万4000円（#6～#11・6本セット・VIZARD TR20-65）、
2万4000円（#5・VIZARD TR20-65）
※メーカー公表値

解説：クラブ設計家　松尾好員
解説：プロゴルファー堀越良和

週刊ゴルフダイジェスト2020年6月30日号より