【TR21 チタンフェアウェイウッド 本間ゴルフ】適度なスピン量で安定して飛距離がかせげる
多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新ギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップ。「ウソをつかない本当の顔」=「ヘッドデータ&クラブデータ」を読み解く。今回は本間ゴルフの「TR21 チタンフェアウェイウッド」だ!
TR20ドライバーの技術を
フェアウェイウッドに採用
【Point 1】
ヘッド体積が184ccと3Wとしてはやや大きく、横幅が非常に広い形状
【Point 2】
フェースアングルが0.5度オープンで本間ゴルフらしい、伝統を感じる
【Point 3】
重心深度が38.2ミリとドライバー並でミスへの強さがうかがえる
本間ゴルフの新しいラインナップの目玉のひとつがフェアウェイウッドの拡充だ。
前作「XP‐1 FW」は3W、5W、7Wの3本だったが、「TR21FW」にはロフト角16.5度の4Wを追加。さらに、今回紹介するロフト角14度のチタンフェアウェイウッド「TR21TiFW」も発表し、幅広い層のゴルファーに訴求できるようになった。
また、ドライバーで好評だった「ノン・ローテーティング・システム」をFWの全番手に採用することで、弾道調整をシャフトを回転させることなく実施可能。
シャフトのフィーリングをそのままでフェースアングルやロフト角、ライ角の調整ができるようになった。さらに、ソールに2カ所の可変ウェートを配置することで、弾道調整が可能になった。
重心距離が32.3ミリと短く
操作性が高い
クラブ長さが43㌅、クラブ重量が319.5㌘とどちらも3Wとしては標準的なので、クラブの振りやすさの判断となるクラブ慣性モーメントが284万g㎠となり、本来はドライバーのヘッドスピードが43m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計になっている。
形状をみると、ヘッドの横幅が非常に広いので、一般の3Wの形状に比べて三角形型に見える。またややディープフェースで、フェース長が短めなのでアドレスすると小ぶりな印象があり、操作性がよさそうだと感じる。
フラットなライ角度と少しオープンフェース設定でフェースがまったくかぶっておらず、本間ゴルフらしくスクェア感を大事にしていることが伝わる。
そして、先に挙げた広いヘッドのの横幅から深い重心深度が想像でき、ネックが通常のアイアン以上に太く、ネックに力感があるのも形状的な特徴だ。
14度でも球が上がる
アベレージにも!
実際に試打したところ、やや小ぶりに見えるヘッドは操作性だけでなく、ラフからの抜け感も良さそうな印象でタイトなライでも扱えそうだ。
試打クラブはロフト角14度で純正ヴィザードTR20-50のSフレックス仕様。シャフトは軟らかめの設定で、1Wのヘッドスピードが40m/sくらいのゴルファーでも十分扱えそう。
ドライバー並みの深い重心深度で14度というロフト角にしては球が上がりやすく、また、6-4鋳造フェースで打感は軟らかい感じ。
チタン製フェアウェイウッドだが、重心深度が非常に深いためにスウィートスポットがやや高くなり、適度なスピンが入って弾道は高めで安定する。
米国製のような低スピンのぶっ飛びスプーンというよりも、安定した弾道でスコアメークしやすいクラブという印象を受けた。
ロフト角が14度と表記してあり、難しさを感じるが、シャフトも扱いやすく球も上がるので、アベレージゴルファーでも十分使えるスプーンになっている。
重心深度が深くミスに強いヘッド
弾道を安定させたい人に
試打クラブスペック/14度 + 標準 ヴィザード TR20-50・Sシャフト
ヘッド素材/ボディ/6-4Ti、ソール/SUS630鋳造
ロフト角/14度
長さ/43㌅
シャフト/ヴィザード TR20-50(S)
総重量/約315g
価格(税別)/5万円
※メーカー公表値
解説:クラブ設計家 松尾好員
週刊ゴルフダイジェスト2020年9月1日号より