頑固おやじのクラブ工房Vol.33 短い番手だけ、マッスル使いたい! 中古チューンのほうがリーズナブル?
“飛び”をうたったアイアンが流行っているけど、日本男児たるものマッスルバックを打ちこなしたい!って思うお客が少なくないんだよ。今週の通勤GDは「頑固おやじのクラブ工房Vol.33」
Q、新モデルと中古、どちらがお得?
最近、ユーティリティに慣れて5番アイアンも外すようになりました。6番からならマッスルバックでも打てそうなんですが、今買うなら新モデルと中古チューン、どちらがお得ですか? (57歳・HC7 ・会社員)
顔が整った
古いモデルがいい
「ロングアイアンをユーティリティに替えたのが7年前で、昨年の後半に5番アイアンもユーティリ
ティに。で、この間、ショップでマッスルバックを久々に打ってみたんですが、手ごたえが気持ち良
かったんです。長い番手は手ごわそうでしたが、6番からなら十分打てそうだし、また使ってみた<なったんですよ」
仕事が忙しくて月イチゴルファーなのに、シングルを維持してるオッサンなんだが、6番~PWの
5本を、マッスルバックアイアンに戻したくなったんだと。
「いいんじゃねえかな、元々使えてたんだし」
「で、新品だと5番からの6本セットで、そこそこの値段がするし、中古でもいいですが、オヤジさんのオススメとか、打ちやすくするチューンがあれば、教えてほしいんですけど……」
「そうだな、20年ぐらい前のアイアン、中古で仕入れなよ。で、シャフト交換すれば、すごく使いやすいマッスル、作れるよ」
「20年前って、90年代モノですか? ちょっと古すぎる…」
やれやれ、適度に古すぎるから、いい顔が揃っていて、角溝でもないヘッドが激安で手に入るんだ。
5本だけだから
シャフト交換も安い
前回、30年前のメタルの魅力を紹介したけど、マッスルバックアイアンは20年前がいい。マッスル
バックは80年代後半、ダンロップの『DP_201』とか、最近復刻版が出たミズノの『TN187』が登場したことで、ほぼ完成したと言っていい。
それが90年代にホーゼルが少し短くなって重心が下がり、ヘッドサイズがわずかに大きくなって打
ちやすいモデルが増えた。この時点で、現在のモデルと遜色ないやさしさと美しさが備わったんだ。
ただ、その後、角溝とかでルール規制に引っかかる仕様になっていく。だから、中古で買うなら90
年代モノを薦めるのさ。
「なるほど……。でも、そんな古いモデル、売ってますかね?」
「郊外の中古ショップとか、のぞいてみると結構いいのが見つかるよ。まあセットで1万円とか2万
円とかで。3番からの8本セットでも、使うのは5本だけだけど、それでも十分安いよな」
「でもシャフト交換すると、高くつくんじゃ……」
「軽量スチールで5本なら、タカが知れてるよ。それでバッチリチューンできれば、新品買うよりお
得だと思うがね」
オイラのオススメは、1㌅伸ばし。ラクにヘッドスピードが上がれば、ロフトも今のモデルより寝ているし、高い弾道で運べて、止まりやすくなる。
「もう少し金をかけるなら、再メッキがいいよ、ヘッドの細かいキズが消えるし。それなら角溝モデ
ルでも、ミゾを削って直すこともできる。まあ、そこまでやるとなればオイラはできないから、外注
になるけどね(笑)」
なにより、他人と違うモデルを使ってる特別感とか、往年の名器をリメイクして使いこなしてるカ
ッコ良さがにじみ出る。腕前にもよるけど、アベレージでも6番以下なら、恥をかくほどのミスはし
ないもんさ。奴さん、それから4日後にミズノ『MSー203』を1万円台で見つけてきたんで、フジクラのカーボンシャフトをつけたんだが、高さが出てすごく気持ちいいってさ(笑)。
月刊GDより(2015)(イラスト/コーチはじめ)