「やっぱりTP5がナンバーワン!」テーラーメイドと再契約のガルシア。決め手は“ボール”
PHOTO/Blue Sky Photos、Tadashi Anezaki、Getty Images
2017年に悲願のマスターズを制したセルジオ・ガルシア。その後、テーラーメイドを離れ、約1年半のクラブ契約フリーの期間を経て、先月、古巣と再契約。その決め手になったのはボールだった。
気づいたら、このボールを手にしていた
クラブ契約フリーだったガルシアが古巣・テーラーメイドに戻ってきた最大の理由はボールだという。
「いつも手にはテーラーメイドのボールとクラブがあった」と本人が語るように、2006年に「TPレッド」を使ってから、2017年に「TP5」でマスターズを制覇するまで、他のどの選手よりも長い間、テーラーメイドのボールを使用してきたガルシア。一度はテーラーメイドを離れ、契約フリーとなり、違うボールを試したこともあったが、やはり使い慣れたボールでないとフィーリングが合わなかったのだろう。
優勝した2017年のマスターズでは「TP5」を使用していた
「ボールがいちばん大事なギア」だと語る彼にとって、新しい「TP5」「TP5x」の登場を黙って見ているわけにはいかなかった。まだ契約フリーだった今年1月のセントリートーナメント・オブ・チャンピオンズでは、いち早く新しい「TP5x」を使用。これはテーラーメイド契約選手を含めても、試合で使用した第1号であり、その後もずっと使い続けていた。
全米プロでは「TP5」を使用
シビアなセッティングとなった全米プロでは、「TP5x」よりも、よりソフトなフィーリングと高いスピン性能を持つ「TP5」を使用した
ボールとクラブとの相性もあるのだろう。昨年から「SIM」のフェアウェイウッドを使っていたが、「TP5x」を使い始めた今年に入り、ドライバーも「SIM」「SIM2」にチェンジ。さらにはアイアンもマスターズを制した「P750」に戻したのだ。契約フリーとはいえ、ボールから、ほぼすべてのクラブをテーラーメイドに戻していたガルシア。古巣との再契約は時間の問題だった。
(上)今年になってドライバーは「SIM「SIM2」を使っていたが、全米プロでは「SIM2 MAX」を投入した。(下)契約フリーのときはマッスルバックを試したこともあるが、2017年マスターズを制したコンパクトなハーフキャビディの「P750」アイアンを再び手にしている
「1年半の契約フリー期間に、好きなボール、好きなクラブを試すことができた。でも、気づいてみれば不思議なことにテーラーメイドのボールとクラブになっていたんだ」とガルシア。今年の平均飛距離は308.5ヤードと5年前よりも10ヤード近く伸びている。かつて「神の子」と呼ばれた41歳から、今後も目が離せない。
テーラーメイド「TP5」(左)「TP5x」(右)
週刊ゴルフダイジェスト2021年6月22日号より