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ミニドライバー vs 短尺ドライバー<後編>飛距離が出るのは? 安定性は? 打ち比べたら見えてきた

近年プロ・アマを問わず人気を博している「ミニドライバー」だが、シャフトを短くした「短尺ドライバー」とはどう違うのか? 徹底検証した。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/クレアゴルフフィールド

解説/堀越良和

豊富な試打経験に裏打ちされた知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発に携わる、“キング・オブ・試打”。クレアゴルフフィールド所属

>>前編はこちら

ミニドライバーと
短尺ドライバーを試打比較!

堀越プロにミニドライバーと短尺ドライバーを打ち比べてもらった。まずはミニドライバーの代表として、テーラーメイドの「R7クアッド」から。

「ミニドライバーは低い打ち出しで強い球が出てくれることによって、飛距離が出やすいです。小ぶりなヘッドで空気抵抗が少ないことも影響していますが、ボールが前に行ってくれます。加えてつかまりもよく、右へのミスが出にくいです」

では、短尺ドライバーはどうだろうか。ヤマハ「RMX VD/M」を短尺仕様にアレンジした「VD/M ステディバージョン」を打ってみると……

「飛距離は3ヤードほどミニドライバーに分がありましたが、特筆するべき点は方向性のまとまりです。今回の試打で打った球はすべて左右のブレが10ヤード以内で想像以上の安定感でした」

では、ミニドライバーと短尺ドライバーをどういう基準で選べばいいのか。

「ドライバーで右プッシュが連発する人はミニドライバーがいいでしょう。フェースが返ってつかまりが良くなります。逆に左に引っかけがちな人は、ヘッドの挙動が安定する短尺ドライバーがいいでしょう。日頃、ドライバーの打点ブレが大きい人も短尺ドライバーですね。ヘッドが大きいぶんスイートスポットも広く、慣性モーメントが大きいので、短くすることで劇的にミスが減りそうです」

ミニドライバー代表
テーラーメイド「R7クアッドミニドライバー」

<試打スペック>
●ヘッド体積/305cc
●ロフト角/11.5度
●長さ/43.5インチ

短尺ドライバー代表
ヤマハ「RMX VD/Mドライバー ステディバージョン」

<試打スペック>
●ヘッド体積/460cc

●ロフト角/10.5度
●長さ/43.5インチ

<試打方法>
トラックマンで計測し、各10球打った平均値をとった


短尺ドライバーミニドライバー
キャリー220.4Y215.6Y
総飛距離236.5Y239.6Y
スピン量2764rpm2940rpm
打ち出し角13.4度11.8度
つかまり★★★★★★★★★
寛容性★★★★★★★★★

右へのミスをなくしたいならミニドライバー
安定性を求めるなら短尺ドライバー

「ミニドライバーは明らかにつかまりがいいです。通常のドライバーより空気抵抗が少なく、振り抜きやすくて初速も出る。方向性もいいので、つかまった球で飛距離も安定性も手にしたい人におすすめで、人気の理由がよくわかります。短尺ドライバーは、ヘッドの動きが安定して、方向性の安定感は秀逸です。短いので芯でとらえやすく、ミスヒットが格段に減る。方向性の安定感を第一に考える人には短尺ドライバーがいいでしょう」

ミニドライバーはこんな人に!
●右へのミスが多い人
●長めのパー3や芝の上からも使いたい人

短尺ドライバーはこんな人に!
●左へのミスが多い人
●打点が安定しない人

とにかくウッドが苦手! という人には
「アイアン型1W」という選択肢も

ソナテック「アイアンドライバー」
●ヘッド体積/250cc ●ロフト角/12度 ●長さ/43.5インチ

キャリー208.2Y
総距離230.2Y
スピン量3250rpm
打ち出し角13.2度

とてもつかまりやすく、スライサーには相性がいい
アイアンは問題なく打てるのに、ウッド系が苦手という人は、ソナテックの「アイアンドライバー」がおすすめ。「一見重心深度の浅さに目がいきがちですが、フェースが大きいことで一般的なドライバーより重心が高いので、適度にスピンが入りやすく、球が上がりやすいです。加えてグースが効いてるので、球がつかまりやすい。打ち方は普段のドライバーと同じでいいです。見た目さえ慣れてしまえば、つかまった安定したティーショットが打ちやすい斬新なクラブですね」

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月16日号より