【“軽量シャフト”大検証】<後編>「30g台のX」の実力は? 軽量シャフトをモノにする方法
週刊ゴルフダイジェスト
ドライバーのシャフトは今や50グラム台が当たり前になり、40グラム台や30グラム台でもしっかりしたものが出てきている。とはいえ男性ゴルファーの中には、軽いシャフトへの抵抗がある人も少なくない。そこで今回は、芸能界きっての飛ばし屋・ユージが軽量シャフトを徹底試打。果たしてどんな結果に?
PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa THANKS/PGSTパフォーマンスゴルフスタジオ


ユージ 1987年生まれ、米フロリダ州出身。2004年からモデルとして活動を開始し、現在はモデル、タレント、俳優として幅広く活躍中。ゴルフ番組で371Y飛ばした記録を持つ“芸能界イチ飛ばす男”
堀口宜篤 1975年生まれ、東京都出身。アメリカでゴルフ理論を学んだインストラクター。クラブフィッティングとスウィング理論を融合させた独自のレッスンが人気。東京・葛飾でPGSTパフォーマンスゴルフスタジオを主宰する
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- ドライバーのシャフトは今や50グラム台が当たり前になり、40グラム台や30グラム台でもしっかりしたものが出てきている。とはいえ男性ゴルファーの中には、軽いシャフトへの抵抗がある人も少なくない。そこで今回は、芸能界きっての飛ばし屋・ユージが軽量シャフトを徹底試打。果たしてどんな結果に? PHOTO/Tadashi Anezaki、Shinji Osawa THANKS/PGSTパフォーマン……
30g台を試打
しなり戻りを待てる人にはいい
堀口 軽量シャフトには30グラム台のXがあるんですよ。
ユージ 日本の技術力って、スゴいですね。
堀口 以前は軟らか過ぎて、飛ばし屋男子には打てなかったんですけど、いまはぜんぜんいけると思います。
ユージ 打ってみてわかりましたが、思ったほどバックスピンがかからないですね。
堀口 切り返したときのシャフトのしなりが戻る前にインパクトを迎えるので、ロフトが立ったまま当たってしまうんですね。ロフトを寝かせて、ウェイトの位置も変えて、バックスピンが入りやすいように調整してみます。
ユージ あと、ハイティーにしてアッパーに打つと、いい球になりそうですよ。
堀口 30グラム台は、ユージさんのように瞬発力で振るタイプより、シャフトがしなり戻るまでインパクトで待てるスウィングのゴルファーと相性がいいんですね。
<試打方法>
ヘッドは、ユージさんが普段使用しているキャロウェイ・パラダイム Ai SMOKE(ロフト9度)。普段の60グラム台のシャフトに合わせて、長さを45.5インチにして50グラム台、40グラム台、30グラム台のシャフトを試打した。弾道計測にはGC4を使用
三菱ケミカル
ヴァンキッシュ VV 3X
キックポイント:中調子

●ボール初速/80m/s ●バックスピン/1323rpm ●飛距離/341Y
ロフトを寝かせるとポテンシャルを引き出せる
「僕のスウィングだと、シャフトのしなり戻りが間に合わないためか、超低スピンになりました。でも、ロフトを寝かせて、ハイティーにして、さらに右に打ち出していくと飛ぶ弾道になりましたね」
軽量シャフトを
使いこなすには?
堀口 シャフトが軽くなると、手先を使ってビュンビュン振れてしまうので、つい腕の力に頼ってしまいますが、実はこれだと思ったほどヘッドスピードが上がらないし、曲がりやすくなるんですよね。
ユージ 僕も、左に巻く球が出やすいと感じました。
堀口 そうなんです。引っかけるのを嫌って、右プッシュが出ることもあります。
ユージ どうすれはいいんでしょうか?
堀口 手先に頼らずに、全身をちゃんと使って振ることを肝に銘じておくことが大切です。あとは、やっぱり自分のスウィングに合うシャフトを選ぶことが一番ですね。
ユージ そうすれば、軽さのメリットを生かせる?
堀口 そうです。スウィングに“タメ”があるタイプか、ないタイプかによって、振りやすく感じるモデルが変わってきます。この点でいえば、ユージさんはやや“タメ”があるタイプってことです。
Point 1
全身を使って振ると自然に“タメ”が生まれる

「ヘッドスピードが速いユージさんは、ダウンスウィングの“タメ”はあるほうです。器用なタイプなのでどのシャフトにも上手く対応していましたが、やはり中間的な動きのGCやヴァンキッシュが振りやすかったようでした」(堀口)
Point 2
重たいボールを投げるときと同じ動き

「軽量シャフトのドライバーを振るコツは、重たいメディシンボールを遠くまで投げるときと同じ感覚。手先を使って小さく速くではなく、スウィングアークを大きくして全身でスウィングする意識が必要です」(堀口)
飛距離を追求するなら
軽量シャフトを試してほしい
堀口 “ちょい軽”の50グラム台から“ゲキ軽”の30グラム台まで体験してもらいましたが、どうでした?
ユージ 禁断の実を食べてしまったような気分ですよ。自分のスウィングタイプとマッチすれば、軽いほうが断然ラクに飛ばせることがわかりました。とくに40グラム台のシャフトに、“攻め”の軽さを感じました。
堀口 そうですね。飛距離より安定感を求めるなら重いシャフトですが、もっと飛ばしたいゴルファーとか、ラウンドの後半でバテてしまうゴルファーには、軽量シャフトは効果バツグンなんですよ。
ユージ 飛ばしを追求するプロのドラコン選手たちが、こぞって軽量シャフトを使う理由がわかった気がしました。軽量シャフト、想像を超える飛びでしたね。
「振りやすかったのは、GCとヴァンキッシュ。なかでも40グラム台のGC-4Xは弾道が一番安定していて、ボールスピードと飛距離もナンバーワンでした。超軽量シャフト、マジでアリです」(ユージ)

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月2日号より


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