ロフト21度は「7W」と「4U」どっちがいい?<後編>キャリーで止めたいなら7W、弾道の安定感なら4U

同じロフト21度前後のクラブでも、フェアウェイウッド(7W)とユーティリティ(4U)ではどう違うのか。入れるならどちらを選ぶべきなのか? 堀越良和プロに試打してもらい、それぞれの特徴をあぶり出した。
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/クレアゴルフフィールド


解説/堀越良和
豊富な試打経験に裏打ちされた知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発に携わる、“キング・オブ・試打”。クレアゴルフフィールド所属
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- 同じロフト21度前後のクラブでも、フェアウェイウッド(7W)とユーティリティ(4U)ではどう違うのか。入れるならどちらを選ぶべきなのか? ギアに詳しい堀越良和プロに話を聞いた。 PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/クレアゴルフフィールド 解説/堀越良和 豊富な試打経験に裏打ちされた知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッド……
7Wと4Uを試打比較
「キャリーや総飛距離も重要ですが、この2本の打ち比べで注目してもらいたいデータは、ボールの『最高到達地点』と『落下角』です。グリーンまでキャリーし、しっかり止まってくれるのは、高さ30ヤードで落下角45度が目安になります。今回の試打の結果では、長い距離が残っても、7Wであれば十分にキャリーでグリーンを狙えることが分かります」
では4Uのほうはどうだろうか。
「球の高さは7Wのほうに分がありましたが、総飛距離は7Wとほとんど遜色ない数字で、高さも30ヤード近く出ていたので、決してグリーンを狙うのに適していないクラブではありません。花道を使ってランを出してグリーンに乗せたい場合は4Uがいいでしょう。何より、弾道や方向性の安定感は4Uのほうが優れていたので、例えばドライバーが持ちづらい狭いホールのティーショットなどでは4Uの安定感が実用的な武器になります」

計測にはトラックマンを使用し、各5球打った平均を取った
7W
タイトリスト「GT2 フェアウェイ」(21度)

最高到達地点と落下角を見ると、7Wのほうが高い弾道で、グリーン上にボールを止めやすいことがわかった。加えて、同じロフトではあるが、クラブが長いこともあり、キャリーも総飛距離も7Wのほうが出ており、かつスピン量も多く、グリーンを狙いやすいクラブといえる

UT
タイトリスト「GT2 ユーティリティメタル」(21度)

7Wに比べると弾道は低めで強い球が出た。キャリー&総飛距離は7Wよりわずかに劣るものの、方向性と弾道の安定感では4Uのほうが優れていた。7Wよりも短いため、クラブを扱いやすく、操作性の高さ、ボールへのコンタクトのしやすさは7Wに比べて分があるといえそうだ

ラフやフェアウェイバンカーでは
どちらが有利?
ラフやバンカーといったシチュエーションではどちらが適しているだろうか。
「ラフからでは、パー5の2打目などなるべく飛距離を稼ぎたい場面では、ヘッドの小さい4Uのほうが抜けがいいのでおすすめです。7Wでもライによっては打てなくはないですが、ミスショット回避を優先するなら4Uがいいです」
フェアウェイバンカーの場合はどちらのクラブが適しているのか。
「バンカーからは、よりクリーンにボールにコンタクトすることが求められます。クラブの長さがある7Wより、クラブが短く、アップライトな軌道になる4Uのほうが上からクリーンにボールをとらえるのには適していると言えるでしょう」
シチュエーション①ティーショット

曲げたくないホールでは4U
狭いホールのティーショットは、飛距離よりも方向性が重要なシチュエーションなので、方向性に優れる4Uがいい。球が高く上がる7Wに対して、中弾道の4Uはアゲンストにも強く、風の影響を受けにくいというメリットもある
シチュエーション②グリーンを狙うショット

グリーンに止めたいなら7W
キャリーでグリーンを狙いやすいのは高さが出てスピン量も多い7Wだろう。4Uの場合はグリーン手前の花道が開いていれば問題ないが、手前にバンカーや池などがある場合は7Wのほうが有利
シチュエーション③ラフ

抜けがいいのは4U
ヘッド体積の小さい4Uのほうがクラブの抜けが良く、ラフからのショットでは役立つだろう。ボールが浮いていて打ちやすいラフであれば7WでもOK。ただしボールの下をくぐってしまうミスに注意
シチュエーション④フェアウェイバンカー

コンタクトしやすいのは4U
グリーンまで距離が残るバンカーでは確実にボールにコンタクトして距離を稼ぎたい状況なので、クラブが短い4Uのほうがミートしやすく使いやすい
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週刊ゴルフダイジェスト2025年7月15日号より