マスターズ優勝を手繰り寄せた松山英樹のクラブセッティングを公開!
プロの14本のクラブセッティングと、それらのクラブを選んだプロのこだわりを紹介する連載「プロスペック」。今回は、マスターズ優勝の3週間前に撮り下ろした松山英樹のクラブ写真を公開。
松山英樹
まつやまひでき。1992年生まれ、愛媛県出身。アマチュア時代の11年に国内男子ツアーで優勝し、翌年プロ転向。ルーキーイヤーで賞金王となり渡米。今年、日本人で初めてマスターズを制覇
スウィングをいじるのと同じぐらい松山はクラブもいじる。同じドライバーを使っているように見えても、ヘッドが違っていたり、ヘッドの中に入れるジェルの位置が違っていたりする。マスターズの週になってもギリギリまで調整を重ねていたほどだ。ただ、マスターズの週は松山の要求が微妙に変わっていたと、ダンロップの松山担当・宮野敏一氏は言う。
「あの週はクラブへの注文がはっきりしていたんです。なぜそうしたいのかが明確で、ピンポイントな提案でした。そこからも、松山プロの調子の良さが感じられました」(宮野)
14本の中で唯一大きく変わったのはパター。松山といえば大のキャメロン党だが、オーガスタではソールの重りを替えられる新しいニューポート2に替わっていた。さらにグリップも、ラムキンのコード入りに。
「目澤コーチと話したうえで、右手が太くなるようなグリップを試そうとなりました。最初はラバータイプのグリップで、その後コード入りに替えました。コードにしたのは角が立っている感じが良かったのだと思います」(宮野)
実に100個近くのヘッドを試したという松山。ジェル位置やヘッドの塗装など細部にまでこだわった。宮野氏によるとプロでは珍しくつかまり顔を選ぶとか
マッスルバックながら顔が少し大きめなのが特徴で、この大きさが松山好み。市販モデルはスリクソン特有のV字型ソールだが、松山はフラットなソールにチューニングしている
56度と60度はアプローチで多様。フェースを開いたときにソールの当たり方が変わらないよう、ヒール側を削りすぎないようにしている
マスターズ直前にスコッティキャメロンの新しい「ニューポート2」に変更。グリップはラムキンの「ディープエッチ パドル コード」というモデルを使用
週刊ゴルフダイジェスト2021年5月11・18日号より