薄芝でもサラッと打ててザックリ知らず! アプローチが得意になる「お助けクラブ」10選

冬が過ぎても、まだまだ薄い春の芝。アプローチのさじ加減が難しく、ザックりやトップが出やすくなる。そんなときこそ“お助け”クラブの出番。アプローチの手助けをしてくれるクラブを打ち比べ、最強クラブを探してみました!
PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara THANKS/大利根CC


試打・解説/西田幸一
福岡県出身。専修大ゴルフ部を経て、大利根CCの研修生に。2016年プロテスト合格。現在はGスタジオに所属し、都内でアマチュアのレッスンも行う。ギアへの造詣も深い
お助けクラブの代名詞“チッパー”
“チッパー”と言われてイメージするのがパター型のもの。パターのようにストロークするだけで、ストレスなくピンに寄せることができる、まさに“お助け”クラブだが、「アプローチが苦手な人ほどアップライトでグリップが太いものを選ぶといい」と西田プロ。
「ライ角がアップライトになると、それだけ球に近づいて構えなければいけなくなるので、スウィングの再現性が上がります。加えて、グリップが太いと手のローテーションが使えなくなるので、手が悪さをしなくなって、ミスの減少につながります。今回試打した3本は、いずれもアップライトでグリップが太めだったので、アプローチのミスが多くて苦しんでいる人にはピッタリだといえます。
またパター型はソールが広くて重心が低いので球が上がりやすいのも特徴で、フェース面がシャフトのラインより内側に入っています。無理に上げにいかなくても自然に球を拾ってくれて、ロフト角がついているので球が上がってくれる。ものすごく簡単です」
グローブライド
「オノフ FROG’S RUNNING」

プロギア
「R35 wedge」

オデッセイ
「X-ACT Men’sチッパー」

見た目を気にする人には“アイアン型チッパー”
アプローチが苦手でも、“チッパー”を使うのに抵抗を感じるゴルファーも多いと西田プロ。
「アプローチは苦手だけど、チッパーは『初心者みたいで嫌だ』と抵抗を感じる人が多いのも事実だと思います。でも最近は形状的にはアイアンに近いけれど、機能的にはしっかりと“チッパー”のいいところを継承しているモデルが増えてきました。アマチュアの方を見ていて『アプローチが苦手な人ほど、ウェッジにこだわる』傾向があり、シングルや上級者ほど、形を気にせずに、いい物は積極的に取り入れています。
今回の3本は、パター型と比較するとフェース面が中に入っている感じがしないし、バッグに入っていても一見チッパーには見えません。それでいて、幅広のソールなど、機能面はしっかり計算されたものばかり。操作性もありいろんな打ち方もしやすいので、クラブに助けられながらも球を打ち分けたい人にも、こっちのタイプがおすすめ。見た目を気にする人やチッパーをこれまで使ったことがない人でも、違和感なく使えるはずです」
キャスコ
「ドルフィン ピッチ&ラン ウェッジ DPW-119」

ピンゴルフ
「ChipR」

クリーブランド
「スマートソール FULL-FACE TYPE-C」

アプローチのミスが格段に減るウェッジ
アナライズ
「R25ランニングウェッジ」

マグレガー
「ターニー ダブルトラブル ランニングウェッジ」

どちらもブレードのパター形状だが、5番アイアンと同程度のロフト角がつけられていることから、フェースに乗せることができるため、距離感がつかみやすい。「ロフト角がそこまでついていないので、チッパーほど高さは出ませんが、障害物がなければミスはほとんど出ない。グリーン周りで確実に寄せられます」
ゴルフポケット
「サブロクウェッジ」「サブロクウェッジ・クロ」

8番や9番アイアンで転がす技は、プロもよく使うと西田プロ。
「アイアンを短く持って手前から転がすのですが、短く持つとヘッドの重さが感じられなくなるので、慣れないとかえってミスをすることになります。このクラブは初めから短くしてあり、ヘッドを重くしてバランスが整えられているので、違和感なく振れる。よく考えたな、というのが正直な印象。ノーマルタイプとクロでグリップの太さが違い、いろいろな球を打ち分けたい人はグリップがクロに比べると細いノーマルタイプを。逆に、普段アプローチでパンチが入っちゃう人や、ボディターンで打ちたい人は、太グリップのクロを選ぶと、手元が悪さをしないので安定したアプローチが打てるようになる。球が上がりにくいので、林からの脱出にも向いていると思います」
ゴルフポケット
「PTウェッジ」

このクラブも普段プロが使う技を再現できると西田プロ。
「例えばバンカーの縁とか砂地に球があるとき、ウェッジを短く持ち、トウだけを接地させてアップライトにして打つことがありますが、これはダフらないための工夫。このクラブはそれを再現してくれています。手を垂らした位置でパターのように振るので、再現性が高まりますが、スピンも入るし高さが出るので機能的には普通のウェッジと同じ。シャフトも余計なしなりがないので、入りどころが安定していつも同じ球を打つことができます。ポイントとしてはソールがしっかり地面に接地する位置にセットして打つこと。そうすればダフらずに自然といい球が打てます」
週刊ゴルフダイジェスト2025年4月1日号より