女子プロの「1Wスペック」真似したら飛ぶ? 再現して打ってみた<原英莉花&小林夢果編>
女子プロのドライバースペックを再現して打ってみる企画の反響を受け、第2弾を敢行! 後編では、原英莉花と小林夢果のスペックを完全再現。飛んで曲がらない秘密を探っていく。
PHOTO/Takanori Miki、Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa THANKS/GOLF PLACE
試打者/勝又崇之
専修大学卒業後の08年プロテストでトップ合格。ギアへの造詣も深く、自らの試打データを弾道計測器並みの正確さで予想できるほど。現在は「GOLF PLACE」でレッスンも行う
クラフトマン/山崎康寛
ツアープロや競技アマから絶大な信頼を集めるカリスマクラフトマン。練馬区上石神井でインドアレッスンスクール&練習場「GOLF PLACE」を主宰。自らのショップ&工房も併設
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- 女子プロのドライバースペックを再現して打ってみる企画の反響を受け、第2弾を敢行! まずは、小祝さくらと古江彩佳のスペックを完全再現。飛んで曲がらない秘密を探っていく。 PHOTO/Takanori Miki、Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa THANKS/GOLF PLACE 試打者/勝又崇之 ……
原英莉花’s スペック
海外男子プロのような
屈強な組み合わせ
173センチと恵まれた体格から豪快なショットを放つ飛ばし屋の原英莉花。クラブ契約フリーのため、好きなクラブを使用できるが、今年8月から使用するのがタイトリスト「GT2」。8月までは予選落ちが続いたが、このクラブを使用しだしてからは予選落ちが無く、安定した成績を残している。
「そのままのヘッドだとバランスが出なかったのでヘッド後方のウェイトを6gから3gに軽くしました。また、グリップの下巻きは師匠・ジャンボ尾崎から継承した、左手の部分にテープを重ねて太さを出す“ジャンボ巻き”で、野球のバットのようにかなり太く感じますが、手に馴染んですごく握りやすい。初速が速いヘッドに、しっかりしつつも50g台と軽いシャフトを合わせることで振りやすくして、飛距離重視。“ジャンボ巻き”は左手でフェース面を意識しやすいし、シャフトも無駄なしなりをしないタイプなので、しっかり速く振りつつも、自分の感覚を大切にしているんだと感じます」(山崎)
「海外男子プロのクラブのようでかなりハード。ワッグルした時はシャフトが棒というか、かなり硬く感じましたが、振ってみるとそれほど硬くは感じません。HS42では、正直スピンがしっかり入れられる人でないとかなり厳しい。HS45は必要だと思います。ただ、ヘッドは打感がよく、初速が速くてかなり飛び、シャフトは動かないので叩きにいっても左に行かない。飛ぶヘッドに動かないシャフトを合わせることで、HSがあればロースピンで確実に飛ばせるでしょう」(勝又)
ヘッド●タイトリスト「GT2」(9.0度)
シャフト●USTマミヤ「LIN-Q ブルーEX」(5S/45.75インチ)
●バランス/D1 ●グリップ/ツアーG JSPEC(ジャンボ巻き)
<試打結果>
「野球のバットみたいにグリップがものすごく太いのですが、手に馴染んでグリップしやすい。ジャンボさんの影響もあると思うけど、左手でフェース面が意識しやすいので、強く振って飛ばしていくなかでも、感覚を大事にしていることがわかります。それにグリップの力を抜いても、グリップエンドに向かってテーパーが効いていて抜けにくいので、余計な力が入らないと思います」(勝又)
小林夢果‘s スペック
重いクラブを体全体で
思いっ切り振って飛ばす
高校を卒業して2年目の今年、QT8位の資格で開幕戦から出場すると、当初は予選落ちも多かったが徐々に成績が安定。春のアクサレディスと秋のマスターズGCレディースで2度最終日最終組を経験するなど度々上位に入り、初シード入りも目前。HS46超えのパワーヒッターのドライバーはいかに!?
「小林選手はヘッド後方のウェイトを4g、前方を2gにしている(市販モデルは8gと3g)ようですが、そのまま組むとD1くらいになりました。恐らくヘッドの中に発泡剤を入れて重量を調整していると思い、今回はヘッドに7gの鉛を貼ってバランスを出しました。持つとかなり重い。ただ彼女のスウィングを見ると、体全体を目いっぱい使って、体の後ろからクラブが出てくる感じでアッパーに打っています。D4とバランスを重くすることで、クラブがどこにあるのか感じられるようにしているんだと思います」(山崎)
「バランスD1ときはシャフトが動かず、かなりハードに感じましたが、D4にするとヘッドが重くなった分シャフトが動いてくれて、逆にやさしく感じました。ヘッドはロフト10.5度でスピンも入るし、かなりやさしい。それにハードなシャフトを挿すことで、『叩いても左には絶対に行かせたくない』というふうに感じますが、正直僕でも振るのはかなりしんどい。男子プロも顔負けの男前スペックなので、かなり足腰を鍛えていると思うんですが、女子でこれを3~4日間振り続けているんですから、すごいなと感心してしまいます」(勝又)
ドライバー●プロギア「RS」(10.5度)
シャフト●USTマミヤ「LIN-Q ブルーEX」(6S/46.0インチ)
●バランス/D4 ●グリップ/ツアーG JSPEC
<試打結果>
「バランスD1のときは、どこで振っているか分からなかったけど、D4にしたことで、シャフトが動くし、すごくやさしくなった。重いバランスはアマチュアには無理そうに思えますが、実はタメが作りやすくなるので、タメができない人は重いバランスを試してほしいです」(勝又)
週刊ゴルフダイジェスト2024年11月26日号より
※スタッツは11月7日現在 ※試打データは小数第2位(スピン量のみ小数第1位)で四捨五入