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【マイクラブを語ろう】サヒス・ティーガラ 8番アイアンが2本! 理由は「7番アイアンが嫌い」だから!?

自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブを語ろう」。今回は、ZOZOチャンピオンシップにも出場した若手の注目株、サヒス・ティーガラのセッティングをご紹介!

TEXT/Hikaru Togawa PHOTO/Hiroaki Arihara

サヒス・ティーガラ 1997年12月4日、米カリフォルニア州出身。23年9月に「フォーティネット選手権」でPGAツアー初優勝を挙げる。世界ランク13位 ※11月10日現在

顔の流れが変わる7番が
昔から苦手だった

インド出身の両親のもと、米国カリフォルニアで生まれ育ったサヒス・ティーガラ。持ち球をドローからフェードに変更し、安定感を増したアイアンショットが武器だが、以前から7番アイアンだけは苦手意識があったという。

「フェデックスカップのプレーオフ期間中は7番アイアンが全然うまくいかなかったんだ。2試合で6度もシャンクなどのミスショットをしてしまった。7番は昔から嫌い。なぜかというと、アイアンセットの流れで7番から大きく“顔”が変わることにすごく違和感があるから。それに元々、7番が苦手というイメージも強い」

そこでティーガラが行ったのは、7番へッドの刻印を“8”に変える、ということ。ティーガラにとって8番アイアンはずっと練習のメインとして使っていたもので、慣れ親しんだクラブ。それに加えて好きなクラブでもあるという。

そのイメージにしたいがために、8月開催のBMW選手権から、7番のソールを削り落として“8”の刻印を入れることにした。ソールを削ったおかげで、8番に近い好みの据わりにもなったという。削り落とした重量分はバックフェースに鉛のテープを貼ることで調整している。

アイアン
ピン「ブループリントS」

アマチュア時代から『ブループリント』シリーズを愛用。昨年この『ブループリントS』に一新した途端、PGAツアーで初優勝を挙げた。その時は、7番アイアンはまだ“7”の刻印のままだった

「7番を8番(担当ツアーレップは“8+”と呼称)に変えてから、特にツアー選手権ではすごくいい感じに打てて、今のところ問題はないよ。調子が良くなった理由はよくわからないんだけど、とにかく数字の“7”を好きになったことは一度もない。ボールのナンバーでも絶対使わないんだ(笑)」

アイアンの“顔”のこだわりはストレートネック。

「昔から真っすぐな顔が好きで、ボールを操作できるイメージがあるとすごく扱いやすいんだ」

ティーガラがクラブ選び全般で最も重視しているのは、高さと距離のコントロールができること。

「硬くて速いPGAツアーのグリーンで戦うために、スウィング自体もカット気味のフェードボールを打つようにした。それに合わせて、高さが出てしっかりスピンが入るようなクラブになることを重視している」

ウェッジはロフトによって
シャフトを変える

スピンコントロールのこだわりはウェッジでも顕著になる。

「サンドウェッジとギャップウェッジは練習することがかなり多いクラブ。だから傷みやすいけど、できるだけきれいな溝であってほしい。そうでないとスピンの計算がしにくく、距離感がつかめなくなってしまうんだ。だから、ウェッジは特に早く交換するようにしている。シャフトも使い勝手によって分けている。アイアン寄り(ショットメイン)にしたいか、ウェッジ寄り(アプローチメイン)にしたいか。50度はショットっぽく打ちたいからアイアンと同じシャフトに。54度と60度はコントロールしてソフトに運ぶイメージが強いからダイナミックゴールドのSにしているよ」

ウェッジ
ピン「S159」(50度、54度)「GLIDE2.0」(60度)

60度だけ『GLIDE2.0』にしているのは、グリーン周りや様々なライのショットがうまく機能するから。58度を2度寝かせることで、スピンの入り具合がちょうど良くなったという

ドライバー
ピン「G430 LST」

『LST』は低スピン設計だが、スピン量が増えやすいフェード弾道に移行したことで理想的な2800rpm前後になったという。「少しスピンが入って安定感も出るようになった。そこが好きなところだよ」

持ち球をドローからフェードに変えたことで、グリップの太さも変更。以前のノーマルの太さでは手首を返しやすく、フェースがターンしすぎてしまう。これを抑えるために、すべての番手を以前よりも太いミッドサイズにした

サヒス・ティーガラの14本セッティング

月刊ゴルフダイジェスト2025年1月号より