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スクエアフェースで構えやすい。自然なドローで飛ばせる『ツアーワールド GS』ドライバー

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回は本間ゴルフの「ツアーワールド GS」を取り上げる。

国内トッププロが即実戦投入

谷原秀人、小田孔明といった本間ゴルフの契約プロが昨年の日本オープン練習日に渡され、即実戦投入したというドライバーが今回紹介する『ツアーワールド GS』だ。

前作である『ツアーワールドTR20』はカーボンとチタンのコンポジット構造だったが、この『GS』はフルチタン構造。ソールの溝を道路でいう「クランク」構造にすることで、効率的なたわみ戻りを生みボール初速をアップ。さらに、オフセンターヒットではギア効果を高め、弾道を補正する効果を生み出したという。また、ヘッド後方のヒール寄りにタングステンウェートを搭載したドローバイアス設計で、よりやさしく、つかまりの良さを実現した。

さて、クラブを計測していこう。数値はすべて実測した値だ。クラブ長さは実測で45.5インチとやや長いが、クラブ重量は295.9gとやや軽く、スウィングウェートもD0.8と大きすぎないので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ慣性モーメントが288万g・㎠に抑えられている。この数値はドライバーのヘッドスピードが43m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計だ。

Point.1 ライ角が59.5度とアップライトで球がつかまる
Point.2 重心距離が39.6㎜と長く芯で打つとドローがかかりやすい
Point.3 クラブ重量が295.9gとやや軽く振り抜きやすい

ドロー系弾道でビッグキャリーを生む

それではヘッドを見ていこう。横幅が広い丸型形状ときれいなスクエアフェースで素直に構えやすい。『TR20』よりもシャローフェースで、やさしく打てそうなイメージが出ている。ヘッドの横幅が広めだが、重心深度がやや浅めの設計で、最近流行の大慣性モーメントヘッドを狙ったモデルではないことがわかる。

実際に試打したインプレッションだが、前述のとおりきれいなスクエアフェースでターゲットに対して構えやすい。ヘッドの輪郭形状はオーソドックスながらもやや横幅は広く、シャローフェースで球がしっかり上がりそうだ。試打クラブは10.5度で標準のスピードチューン 48(フレックスS)仕様。シャフトはクラブを持っただけでもたわむほど非常に軟らかい設定で、ヘッドスピードが37m/sくらいのシニアゴルファーでも十分に扱えそうだ。ヘッド重心位置は標準ながら、シャローフェースなので相対的に高重心になっており、ヘッドスピードが速くないゴルファーでも適度なスピンがかかり、安定した高弾道で飛んでいく。インパクトでは軽めの高音が響き、爽快感がある。

ヘッドのネック軸周り慣性モーメントが大きすぎず、ヘッドの操作性がいいので、最近流行の大慣性モーメントヘッドよりも球をつかまえやすくなっている。実際、自分のドライバーでキャリーが180Yほどのシニアゴルファーに打ってもらったところ、総じて球をつかまえて、ストレートからドロー系弾道で飛距離も出ている感じがした。

ヘッド構造上、重心深度が深いと慣性モーメントは大きくなるが、『GS』は37.4mmとやや浅い。ネック軸周り慣性モーメントは7091g・㎠と標準的だが、最近は8000g・㎠を超える数値のドライバーが多いので操作性は高い


本間ゴルフ
ツアーワールド GS

<試打モデルスペック>※カタログ値
●ヘッド素材/Ti811&Ti6-X4
●ロフト角/10.5度
●ライ角/59.5度
●長さ/45.5インチ
●シャフト/スピードチューン48(S)
●総重量/約295g(S)
●価格/7万4800円

クラブ&ヘッドデータ(実測値)

クラブ長さ45.5インチ
クラブ重量295.9g
スウィングウェートD0.8
クラブ慣性モーメント288万g・㎠
ヘッド重量196.9g
ヘッド体積445㏄(ソール凹)
リアルロフト角11.4度
ライ角59.5度
フェース角オープン0.0度
重心距離39.6mm
重心深度37.4mm
フェース高さ53.3mm
スイートスポット高さ35.2mm
低重心率66.0%
ヘッド慣性モーメント(左右方向)4578g・㎠
ネック軸周り慣性モーメント7091g・㎠


松尾好員
まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰