絶好調の稲見萌寧「旧『P770』に戻したら、思い通りの球が打てるようになりました」
PHOTO/Tadashi Anezaki
プロの14本のクラブセッティングと、それらのクラブを選んだプロのこだわりを紹介する連載「プロスペック」。今回は、先週「明治安田生命レディス」でツアー通算3勝目を挙げた稲見萌寧のセッティングに注目!
稲見萌寧
いなみもね。1999年生まれ。東京都出身。19年に初優勝、20年にも1勝を挙げ、21年「明治安田生命レディス」で早くも通算3勝目。いま最も注目の若手の1人
ツアーの中でもクラブへのこだわりが強いことで有名な稲見萌寧だが、特にこだわっているのがアイアンだ。昨年はブリヂストンのアイアンに替えていたが、もともといろんな条件が揃わないと変えないタイプなので珍しいことだったらしい。
「アイアンは私のセッティングの核です。昨年使っていたのも悪くなかったんですが、少し顔が大きかったのと、つかまりが少し良すぎた感じで。それでその前に使っていたテーラーメイドに戻しました。思いどおりの球が打てない理由はもちろん自分のスウィングが原因だったりもするんですが、やっぱり安心感や感覚なんかも大事なんだと今回は改めて感じました」
アイアンは顔、打感、スピン量などすべての要素が揃うことがクラブを新調する第一歩だという稲見だが、顔に関しては小ぶりなものが好みで、操作性が高く、ある程度スピン量が入るものが条件とのこと。一方ウェッジに関してはスピンよりも出球の感覚を重視しているという。
「フェースに乗りすぎず、ポンと上がってくれるものが好みで、SM8を試したときに“いける”と感じました」。感覚の鋭さを随所に感じる稲見のクラブへのこだわり方に今後も注目したい。
構えたときにしっくりくるからこそ迷うことなく振り切れる。ボールのつかまり具合の良さと、操作性の高さのバランスが秀逸。格好いいフォルムもお気に入り
スピン量にこだわる稲見にとってユーティリティ選びが難題だった。スピンの入り方でコントロール性能が変わるため、現状はこのユーティリティ以上のものとは出合えていない
週刊ゴルフダイジェスト2021年3月30日号より