【マイギアを語ろう】ストロングロフトでもしっかり止まる! 道具とともに進化する藤田寛之の14本
自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回は、日本シニアオープンを制した54歳、藤田寛之のセッティングに注目。
TEXT/Hikaru Togawa PHOTO/Tsukasa Kobayashi THANKS/葛城ゴルフ倶楽部
飛びと直進性を重視
昔は構えたときに真っすぐ向いている顔が特に大事だった、という藤田寛之
「今は、ドライバーは飛びと直進安定性。アイアンは飛んで止まる、そしてコントロール性を求めています。でも、左にかぶって見えるのはやっぱりダメ。あとはヤマハ一筋30年、これが一番のこだわりですかね(笑)」
現在、ドライバーは『RMX VD』の『M』、『R』、『プロト』の3モデルを試用中。
「『R』は打球の直進性、飛距離性能も高い。『プロト』は、古き良きヤマハ顔のイメージ。小ぶりに見えて操作しやすい感じがあります。昔の人間なので、球を曲げたりしたいし、それがしやすい。このどれかに絞っていく感じですが、基本的に『R』を使いたい。飛距離と直進安定性が強いから、年齢とともに自分の強みにしていけるクラブになると思ってます」
ドライバー
ヤマハ「RMX VDプロト」
日本シニアオープンでは『プロト』を使用。「小ぶりに見えて、操作しやすい。ヘッドが決まってから、シャフトは改めて選びたい」(藤田)
フェアウェイウッド
ヤマハ「RMX VD」(5W)
プロ人生初のFW1本! 3W抜きでも大丈夫
「アイアンに合わせてウェッジを1本増やしたぶん、3Wを抜きました。そこで5Wのロフトを0.5度立てて、3Wのエリアをカバーしています」(藤田)
ウェッジ
タイトリスト「ボーケイ SM9」(50、58.5度)
タイトリスト「ボーケイ ウェッジワークス」(54度)
ストロングロフト対応で2本から3本に
「58.5度は、海外メジャー挑戦時に59.5度まで増やしたロフトを日本仕様に0.5度ずつ立ててきて、ここで終わった感じ」(藤田)
ストロングロフトでも
しっかり止まる
「人生で初めてストロングロフトアイアンにスイッチ。実は、2年前くらいからストロングロフトを使いたいと思っていたけど、打球の高さやスピン性能が、どうしてもトーナメントのコースでは使えなかった。飛ぶけど、止まらないから」
だが、新しい『RMX VD/M』は高く上がり、ランディングの角度がつくから止められるという。
「それでいてロフトが立っているぶん飛距離も出てくれて。今年の宮崎の合宿で初めて打って、一発でいいなと思いました。見た目もオーソドックスだから違和感もなく、飛び系特有の強い弾き感もない。適度に弾く感じはあるけど、それは打球のスピードが出るいいイメージですね」
シャフトは『DG S200』を長年愛用していた。
「40代前半から、打球が止まりにくくなって、高さを出したいな、と。そこでトゥルーテンパーの『AMT』に替えたら、スピン量が200回転増えた。でもまだ物色中で、今は『スチールファイバー』も試したいと思っています」
アイアン
ヤマハ「RMX VD/M」
飛ぶのに止まる! 理想のアイアンです
軟鉄鍛造本体にばね鋼フェースを溶接。フェース裏面の溝構造が高初速と最適スピン性能を両立している。こう見えて“ポケキャビ”
攻撃的なゴルフができる
「去年5番で打っていた所から6番で打てると、気持ち的にもかなりラク。より攻撃的なゴルフができます」(藤田)
ヒール内部を番手別に削り重心をセンターに近づけた
「打つべき所に芯が来ている。結果的に当たっているのは下から2~3番目のスコアラインの若干ヒール寄り」(藤田)
藤田寛之の14本セッティング
月刊ゴルフダイジェスト2023年12月号より
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- 一流と称される者には、自身のゴルフスタイルを確立するためのきっかけとなった転機がある。例えばそれは、ある1ホールの苦しみかもしれない。例えばそれは、ある1ショットの歓びかもしれない。積み重ねてきた勝利と敗北の記憶を辿りつつ、プロゴルファーが静かに語る、ターニングポイント。藤田寛之の場合、それは、41歳で迎えた国内メジャー初制覇の重圧でもあった TEXT/Yuzuru Hirayama PH……