【マイギアを語ろう】契約フリーにしてイチからリセット! 父と築き上げた蛭田みな美の14本
自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回は、今季から契約フリーとなり、プロ8年目にして悲願の初優勝を手にした蛭田みな美のセッティングをご紹介。
TEXT/Hikaru Togawa PHOTO/Shinji Osawa
すべての番手で同じ球筋が出ること
昨年のシーズンオフに、ピン『G430 MAX』を“なんとなく”ショップで打ってみたという蛭田みな美。
「それが、すごく良くて。曲がらないし、飛ぶし」
これがきっかけで、今シーズンはクラブ契約フリーを選択。娘・みな美のゴルフを知り尽くしている父・宏さんとともに、新たにセッティングを組み上げていった。
「考え方の基準は、どのクラブを持っても同じような球が出ること。たとえば、ドライバーは気持ちよく振ったら軽いドローだけど、アイアンはストレートとか。これはダメ。私の場合は、どのクラブでも持ち球の軽いフェードが打てるクラブ選びが基本になっています」
ちなみに、シャフトの好みは“棒”に近いもの。
「13本が同じように振れたらいい。余計なことはしないでほしいんです」
ドライバー
ピンゴルフ「G430 MAX」
フェアウェイウッド
ヤマハ「RMX VD」(3W)
キャロウェイ「マーベリック サブゼロ」(7W)
「『RMX VD』は高さも出るし、それでいて超飛ぶ。『サブゼロ』の7番は飛距離の打ち分けの調整がやさしい」
アイアン
ピンゴルフ「i210」
「フェードを打つには適度に重心距離があったほうがいい。鈴木愛プロから『i210』がすごくいいと聞いて、以前使っていたのを引っ張りだしてきました」
どうせ入らないなら
カッコいいパターを
「私自身、パターがそんなに得意なほうではないし、今まで全然入らなかった(笑)。だからもちろん、形もたくさん試しました。結論は、どれも一緒(笑)。だったら、もっとも感性を生かせて打感もしっかり感じられて、操作できるカッコいいパターを使おうと思って」
ブレードタイプは、自分の動かしたことがダイレクトに結果に伝わるため、パットの腕を磨くにはすごくいいと思ったという。
「自分が上手くなれば入るし、下手なら入らない、それが好きです。あとは、打感が最高ですね。手に伝わるフィーリングから“打ってる”って実感します」
パター
スコッティキャメロン「プロトタイプ」
「キャメロンのパターって、ほんとかっこいいですよね。あと、手に打感がしっかり伝わる感じが好きです。『打ってる』感じがするんですよね」(蛭田)
「キャメロンのパターを使わせたくて、タイトリストの人に買うからと話したらキャメロンさんが直々に削ってくれた」(父・宏さん)
「手元に鉛を貼っているのは、少し重くして、手元が動くようにしたいから。それほど効果があるとは思わないけど、精神的には安定する」(蛭田)
蛭田みな美の14本セッティング
月刊ゴルフダイジェスト2023年11月号より