パター形状の代表格「アンサー型」。由来となった本家「ANSER」はなぜ「W」が抜けている?【明日使えるゴルフ用語】
普段当たり前のように使っているゴルフ用語だが、その成り立ちや意味を問われたときに、正しく返せるだろうか? ここではラウンド中の会話やゴルフ仲間とのやりとりで使える、ゴルフ用語にまつわるうんちくを紹介する。
アンサー【Anser】
「アンサー」は、アメリカのピン(PING)社が1966年に発売したパターの名称。のちにピンのパターだけでなく、このアンサーの形状を踏襲したものを、広く「アンサー型」と呼ぶようになったことからも、いかにこの形状が多くのゴルファーに受け入れられたかが分かるだろう。
「トウ-ヒールバランス」(ヘッド重量をトウ側とヒール側に分散させることで、打球時のヘッドのブレを抑える構造のこと)を採用したパターの代表作であり、長く名器として多くのプロに愛されている。
その中でも、ピン社が拠点をアリゾナ州・フェニックスに移す以前に製作されたものは、特に「スコッツデール(Scottsdale)」と呼ばれ、90年代に入ってからも高値で取り引きされるなど、珍重された。
その後、他メーカーが「アンサー」を模倣したモデルを続々と製品化し、「アンサー型」(ピン型)は、パターヘッドの主流形状のひとつとして定着した。
ところで、この「アンサー」の名前は、ピンの創業者でアンサーの生みの親であるカーステン・ソルハイム氏が、「パッティングの解答(answer)」となるパターという意味で名付けた。しかし、気になるのはその綴り。「ANSER」となっており、「W」が抜けているのだ。
実は、ヘッドに名前を刻印するのにスペースが足りず、カーステン氏が苦慮していたときに、妻のルイーズさんが、「Wを抜いても読み方は変わらないじゃないの」と助言したのだそう。一見すると誤植のように思われてしまいそうだが、それを受け入れたカーステン氏の器の大きさが感じられるエピソードだ。