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【マイギアを語ろう】「やさしいだけじゃダメなんです」菅沼菜々のクラブセッティング

自身の道具へのこだわりを、プロ自らが語る連載「マイクラブ マイギアを語ろう」。今回は、初シードで迎えた2022年、多くの優勝争いに加わり大躍進の菅沼菜々のクラブセッティングをご紹介。

TEXT/Hikaru Togawa PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa

菅沼菜々 すがぬま・なな。2002年2月10日生まれ東京都出身。昨年は未勝利ながらも、賞金ランクは9位と大躍進。3パット率は1位(3パット以上の確率が最も少ない)とパッティングには定評がある。もっとも初優勝に近い選手の1人

やさしさの中にも“操作性”は欲しい

「見た目と感覚をかなり重視します。見た目は大きすぎず小さすぎず、が好み。自分にとって大きすぎると、なんとなく操りにくそうに見えるし、小さすぎると難しく感じてしまうから」

と、まず見た目で馴染めるヘッドかを吟味するという菅沼菜々。

「あと、全体的に言えることは、ハードスペックにはしないということ。少しやさしいクラブのほうが試合で使えるし、ハードすぎると手首を痛めてしまうから。中学生の頃とかも、周りはアイアンでスチールシャフトを使っていたけど、自分だけカーボンにしていました」

3番ウッドより上がりやすい4番ウッド投入、4UTよりもラフで扱いやすい7番ウッド採用、というようにその考え方は今も続いているが、プロとしてさらに高みを目指すべく、ただやさしいだけではない、適度な操作性も求めているという。

「長く『ゼクシオ』アイアンを使っていたんですが、新シーズンは『スリクソンZX5』に移行します。打ち比べると、操作性がかなり高いんです。そこが気に入りました。『ゼクシオ』はやさしいぶん、打球が操りにくくてコントロール性にちょっとだけ不満があったんですよ」

ドライバー
ダンロップ「ゼクシオ エックス」

とにかく振りやすい!
「『ゼクシオ』の中ではアスリート向けだけど、打ちやすい。とにかくやさしい。シャフトは絶対左に曲がらないものを組み合わせています」

フェアウェイウッド
ダンロップ「ゼクシオ エックス」

ラクに高さが出てブレない4番ウッド
「3番ウッドは球が上がりにくいし、ロフトも立っていて難しい。4番だと打球の高さも出しやすくてブレにくいからいい。その流れで5番ではなく7番に」

ウェッジ
クリーブランド「RTX ZIPCORE」

スピンがよくかかる「マイクロミーリング」
「溝と溝の間の面に細かいミーリングの線が入っているんですけど、これがかなりいい感じ。スピンがかかりやすくて、気に入っています」

パター
ピン「TYNE C」

2年前からこのパターを愛用中
「昔からセンターシャフトが好み。インサートのフィーリングも速いグリーンにしっかり合っています」

グリップを開き気味に入れている

最も得意なクラブはパター、と菅沼。

「こだわり、というほどのことでもないんですけど、グリップを少し開き気味に入れてもらっています。これはピンのクラブ担当の方にすすめられて。それで、何度か調整してみたら、すごくしっくりきたんです。というのも、私はフェードヒッターだから、どのクラブも少しかぶせて構えたくなる、というか構えています。長いクラブは左に打ち出して戻ってくる時間があるから、かぶせて構えてもいいんですが、パターはそれだと間に合わない。思った所に打ち出せなくて苦労するのが嫌なので、グリップ自体を開いて入れてもらい、少しかぶせて構えた感じで、ちょうどスクエアになるようにしています」

菅沼にしかわからない、ごくわずかな開き具合

「見た感じではわからないほど、本当に数ミリの傾きだけど、私からしたら全然違います。据わりも良くて、狙った所に打ち出せます」

菅沼菜々のクラブセッティング

※調整中のため、セッティングには15本入っている。飛距離はトータルの数値

月刊ゴルフダイジェスト2023年3月号より